スタジオにて ページ5
☆☆☆
撮影スタジオに入る。
私の出番はまだまだ先だけど、他の人の演技を見るのも勉強だということで、
辻さんに大人しく隅っこで見学するよう言われたのだ。
出演者だけでなく、スタッフさんの動きなんかも見ておくように言われたっけ。
今回のドラマは明治時代の華族の屋敷で起こる色々な話で、
私は、その屋敷で働くお手伝い。
ダークグリーンのワンピースに、白いフリフリのエプロンなんか身につけていて、髪は三つ編み。
妙、とはあまりにかけ離れているし、
個人的にも絶対するようなスタイルじゃないからとっても恥ずかしい…。
でも、
ひとたびスタジオに入るとそこは明治時代。
そこでは、皆がその世界の住人になるから
それが普通になる。
スタジオの中にいくつか組まれたセットの中でも、
今は一番端のセットで収録しているから
私は逆の端っこの方でその様子を見学していた。
暫くして、
すっと横からカップを差し出されたから、
辻さんかな？とそれを受け取ろうと顔を上げると、そこには予想外の人がいて、一瞬凍りついた。
「えっ……ええっ⁈」
そこに居たのは、艶やかな着物姿の主演、高坂優希さん。
彼女は女優歴すでに20年を越える超ベテランで、
40歳を過ぎているとは思えない美しさで、男性のみならず、女性ファンも多いと聞いてる。
そういう私も彼女のドラマや映画はかなり観ているのだ。
役としては会話をしてるけど、
プライベートでは一切話したことがなかったので、正直、心底驚いた。
「勉強熱心なのね。
どうぞ？珈琲お好きなのよね？」
そう言って差し出される珈琲。
「はっ、はいっ！ありがとうございます！」
緊張で声が上ずる。
高坂さんは、その美しい口元に人差し指をあてて、
「…しっ。向こうは撮影中だから、ね。」
そう言ってにっこり微笑む。
(…きっ…綺麗だぁ〜)
あまりの美しさに目眩すら覚えるわ…。
高坂さんは、目眩と動悸に耐えている私に向かって、更なる一言を放った。
「私の出番までまだ少しあるの。
ここで一緒しててもいいかしら？」
私の耳元で囁くから、もう緊張はマックス。
鼻血も出そう…。
コクコクと、真っ赤な顔でうなずくしかない私を見て、椅子に座った高坂さんが又笑う。
ふわりと、
いい匂いもしてきた…。
それから、
彼女の視線は収録中のセットに向かったから、
私もそちらへ視線を戻した。
途端に、
その世界に引き込まれる。
☆☆☆
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ゆうの(プロフ) - harukaさん» (笑)そんな事を全く気にしない大らかな【私】と言うことで…。コメント、ありがとうございますm(__)m (2014年6月11日 12時) (
レス) id: 02736c93be (このIDを非表示/違反報告)
haruka(プロフ) - チャミナ、【私】は保護者ですか？(笑) (2014年6月11日 12時) (レス) id: d7583bc94b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作成日時：2014年6月5日 16時
