ポジティブ…CM ページ38
♫
さっきまでどん底まで落ち込んでいたこいつが
俺の一喝の後
おもむろに頭を上げ始めて
最終的には完全に空を向いて宣言をしたから
「…ぷっ」
思わず吹き出した。
ヤバい、と思ったけど向かいのヌナも吹いてるからまぁ、いいだろ。
ヒョンの中にいた時といい
決して能天気なポジティブじゃあないけれど
こいつの順応性と言うか、
適応力というか、には感心する。
頑張ろう、と言う気持ちが溢れてくるのがわかるから
だからつい、手助けしてやりたくなるんだ。
ヒョンの中のこいつと
必死にレッスンした時のことを思い出していたら
ヌナは現実的な事を言い出した。
「…さて。
由乃ちゃんのお金を騙し取った男は立派な詐欺だから、ちゃんと警察に届けを出さなきゃね」
「…え」
「そうですね。騙し取られたお金は取り返さないと」
ヌナと俺の言葉に、目が丸くなる。
「…届け…出さなきゃダメですか…？
私にもスキはあったので…
あの…よく言いますよね。
高い授業料を払ったと思って…諦めようかと……」
さっきまで天を仰いでいた瞳が少し落ちた。
「何言ってますか！」
騙した男にはしっかり落とし前つけてもらわないと、俺も落ち着かない…！
「…だ、だってその……先生や事務所にも…迷惑がかかるし……その……。
私の…名前が出たりするのも………困る…かな…と」
「どうして！？悪いのは相手の男ですよ？」
「…だって…これで名前が出たら…その…
なんか……売名行為…みたいで…」
俺の言葉に
ますます顔が落ちる。
「…ばい…めい？こうい？？」
ヒョンの目が丸くなって
「自分自身を売り込むため、有名になるためにわざとすること、よ」
ヌナが答えてくれた。
「…なるほど…。
確かに…この業界で頑張ろうと言う人間にとってはニュースにでもなれば名前は売れますね…」
実力で上がりたいこいつにとっては
それは不本意だろう。
避けてやりたいけど……。
「…それでも…
騙した男はきちんと法の裁きを受けるべきだよ」
優しいけれど
力のこもるヒョンの言葉が響いた。
「…え？」
さっきまでのポヤポヤした柔らかな空気が少しだけ引き締まったから
あいつはゆっくりと顔を上げた。
♫
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ゆうの(プロフ) - ゆきさん» レスが遅れました〜！鼻血もののシチュエーションですよね！多分白目向いて気を失うと思います。自分なら (2018年5月25日 17時) (
レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - なんて羨ましいシチュエーションなんだ！ (2018年5月18日 7時) (レス) id: 0c3ca6793d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - のこさん» とても廉さんがらみで男を見せていたユノとはギャップが……^_^; でも、どっちも私が思い描くユノなんですよねぇ。 (2018年4月10日 10時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - take1011さん» コメントありがとうございます(*^^*) ヒロイン、全然穏やかな状況ではないんですけどね^_^; ようやく、あの公園で途方に暮れていた理由が判明します！ (2018年4月10日 10時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
のこ(プロフ) - あな空の時よりもだいぶ幼児退行してるな…ユノ…可愛いけど (2018年4月10日 10時) (レス) id: 72bf88ec29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2018年3月22日 9時
