途方に暮れる ページ1
♫
その日も途方に暮れていた。
その日も、と言うのは
結構途方に暮れやすいから。
色々悩みは尽きなくて
毎回迷路にどん詰まり。
で、途方にくれるんだけど
自分1人の力でどうなるものでもないから
結局のところ
「ま、しゃーないか！！」
と、なって終わる。
いつもなら。
でも、今日はそれでは終われない。
「…はあぁ………」
さっきから何度目のため息だろう……
昔住んでいた頃に一度だけ来たことのある高台の公園のベンチで
本当に途方に暮れて眼下に灯る温かそうな街の灯を見ていた。
…どうしようかなぁ
…どうしたらいいのかなぁ
人間、本当に手立てが無くなると頭の中って真っ白になるんだなぁ。
なんて事に気がついて
そんな事しか考えられなくなっている事に笑ってしまった。
あたりが薄暗くなって来て
ベンチのすぐ横にある街灯が
微かな電子音を鳴らして明かりを灯す。
思わず見上げると
そこには柔らかなオレンジの光。
…ああ、温かい色だなぁ…
そんなことをぼんやり考えていたら
「…女の子が1人で無防備にこんな所にいては危ないですよ…」
どこかで聞いたことのある声が聞こえてきた。
でも、その声の主は
見上げた私の顔の前に街灯を背にして現れたから逆光でよくわからなくて。
男性であることは確かだから
免疫のない私は慌ててベンチから飛び上がる。
「あっ……ああああああのっ、何かっ？！」
気持ち、コートの胸元を掴んだ。
未だ逆光の男の顔ははっきり見えないけど
高身長でスタイルが良いのはよく分かる。
「…別に襲ったりする気は毛頭ないですから安心してください。
俺にも選ぶ権利はある」
何やら失礼な物言いに若干腹が立ってきて
(…うら若き乙女を捕まえてよくそんな事を…！)
男のツラを拝んでやろうと前へと踏み出した時
その顔を見て
一気に身体中の血液が沸騰した気がした。
「チャっ……チャチャチャ…」
「人をオモチャみたいに言わないでください」
「チャっ…チャンミンさん？！」
これ以上はないくらいに目を見開いてその姿をまぶたに焼き付けた。
「あはぁ〜…懐かしいですね、その呼び方…」
チャンミンさんが何やら呟いたけど
私は
ずっと会いたかったアーティストに会えた喜びで舞い上がっていた。
♫
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 430人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうの(プロフ) - ゆきさん» レスが遅れました〜！鼻血もののシチュエーションですよね！多分白目向いて気を失うと思います。自分なら (2018年5月25日 17時) (
レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - なんて羨ましいシチュエーションなんだ！ (2018年5月18日 7時) (レス) id: 0c3ca6793d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - のこさん» とても廉さんがらみで男を見せていたユノとはギャップが……^_^; でも、どっちも私が思い描くユノなんですよねぇ。 (2018年4月10日 10時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - take1011さん» コメントありがとうございます(*^^*) ヒロイン、全然穏やかな状況ではないんですけどね^_^; ようやく、あの公園で途方に暮れていた理由が判明します！ (2018年4月10日 10時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
のこ(プロフ) - あな空の時よりもだいぶ幼児退行してるな…ユノ…可愛いけど (2018年4月10日 10時) (レス) id: 72bf88ec29 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2018年3月22日 9時
