期間限定のキミと 02

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お風呂から上がって

ボーッとした様子で

リビングに戻って来たジョングク先輩




テーブルにお皿を置いていると

ふと足音が聞こえて振り返る









「…あ、」









頬がお風呂上がりだからか？

少し赤く色づいていて

首から下げられたタオルと

中途半端に拭かれた髪の毛からは

まだ水がポタッと滴っていた




慌てて側に行き

首から下げられたタオルを手に取り

背伸びをしてジョングク先輩の頭を拭いた









「ちゃんと拭かないとダメじゃないですか」









するとジョングク先輩は

いきなり私の手首をギュッと握った




ビクッとした私は

背伸びをやめた




濡れた前髪の隙間から

ジョングク先輩と目が合った









『Aちゃんが拭いてくれると思って適当に拭いて来た』



「…っ」



『もう今日が最後なのに…恋人らしい事なんか何一つ出来てない…』









視線を下に向けると

小さくポツリと呟いたジョングク先輩









「今はそんな事を言ってる場合じゃ、」



『だったら俺と付き合ってよ』



「…っ！？」



『もっとAちゃんの側にいたい…仮でも何でも良いAちゃんの側にいられるなら何だってする』









そう言いながらゆっくりと

私に近寄ると頭を私の肩に乗せた









『ダメだ…情けないけど…Aちゃんがいなくなるって思ったら怖くて仕方ない…』









片腕だけを私の腰に回して

グッと引き寄せるジョングク先輩









『ずっと側にいて欲しい…』



「…先輩」



『…ごめん、なんか今日は変だ』









ここまで弱ってるジョングク先輩は

初めて見たしこんな弱気なジョングク先輩も

初めて見たからどうしていいのかわからなかった




どんな言葉を掛けたらいいのか？

どんな対応が正解なのか？

そんなのわかる訳もないのだけど

私は自然とジョングク先輩の頭に手を乗せた









「…大丈夫です」



『…？』



「私はずっと側にいます」



『…え？』









人と言うか私だけなのかな？

気になってる人が弱っていたら

ついつい甘やかしてしまうし

安心させたいって気持ちが込み上げる









「私がずっと先輩の側にいます」



『それっ…て？』



「…」









先の事なんか考えたってしょうがない

リホが言った通りに気持ちのままに

素直に行動しようって思った




ここまでジョングク先輩が

私を思ってくれるなら

私もジョングク先輩を信じよう




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