期間限定のキミと 01

03 ページ3

・




チョン・ジョングク先輩は

一個上の高校3年生で

モデルさん並みにスタイルが良くて

イケメンで運動神経も良くて

ご両親が公務員と言う金持ちの坊ちゃんである




学校でも女子生徒から

かなり人気があるけれど

本人はあまり女性に関心がないようで

ジョングク先輩の恋愛話を聞いた事はない




たくさんの人がジョングク先輩に

告白をして来たみたいだけど

今まで誰一人として成功した人はいない




そんなジョングク先輩と私は

中学からの顔見知りで

中学の時に一度だけ委員会が同じ事から

多少は話す関係にはなったけども

そこまで親しいかと言われるとそうではない




それに私はジョングク先輩に対して

恋愛感情を抱いた事がないので

確かにカッコいいとは思うけど

付き合いたいとは思わない




だっていつも無表情で

ボーッとしていて

何を考えてるのかわからないし

あまり笑った所を見た事がない









ジョングク先輩に言われたら

断る事も出来ず黙って少し間を開けて

隣に座ったら何故か詰めて来たジョングク先輩




思わず横を向いてしまったけど

ジョングク先輩はすでに携帯に視線を戻してて

イヤホンからはゲームの音が聞こえていた




少しでも横に動けば

肩がぶつかりそうな距離感に

ハラハラしながら座る私と

何も考えずにただひたすらに

ゲームに没頭するジョングク先輩




何故、私はここにいるんだろう？

あ、そうだ…振られたんだ…

教室に帰るのが気まずくて

ここにやって来たらジョングク先輩が来て…









「…ふぇ……」









思い出したらまた涙が溢れて

隣にジョングク先輩がいるのに

さっきよりも子供みたいに

声を出して泣いた




どうせイヤホンしてるから

聞こえてないだろうしね…




ひとしきり泣き終えると

スッキリはしなかったけど

涙は止まって落ち着いた









『赤ん坊みたいに泣くんだね？』



「……え！？き、聞こえっ…て！？」









片方のイヤホンを外しながら

ジョングク先輩はポツリと言葉を発した




ジョングク先輩の声がした瞬間

まるで磁石が反発し合うかのように

ジョングク先輩から離れた私









『全然聞こえてた』









あ、穴があったら入りたい…泣









イヤホンを両方とも外して

携帯と共にポケットにしまうと

壁に寄り掛かるジョングク先輩









『何がそんなに哀しいの？』




・

04→←02

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す