期間限定のキミと 01

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《大丈夫だった？何か言われた？》



「…はい、特にはっ」



《そっか、なら良かった》









家に帰って落ち着いてから

ジョングク先輩に電話を掛けた




ワンコールですぐ出たジョングク先輩

ずっと待っていてくれたんだなって思ったら

何だか申し訳ない気持ちが溢れた









《Aちゃん？》



「はい？」



《やっぱりなんかあったでしょ？》



「…え？」



《なんか声に元気がない》



「…そん、な事っ」









心臓が跳ねる程にドキンッと脈打った

電話口でも元気がないとかわかるの？

ジョングク先輩って超能力者なの？









《俺の事は気にしなくていいから話してよ》



「…え、」



《だって仮にも彼氏でしょ？》









電話口で小さく笑ったジョングク先輩

その言葉に更に胸が苦しくなった




元彼に振られて傷付いてた私に

声を掛けてくれて優しくしてくれて

ずっと側にいてくれたのに

私は元彼のたった一言に心が揺れてる




ジョングク先輩の気持ちを知りながら

私もジョングク先輩の事を考えようと

前向きになろうって決心をしたのも束の間




元彼の “ やり直さない？ ” の一言で

今までの決心が全てブレてしまった









《Aちゃん》



「…っ、」



《もしもし？聞こえてる？》



「せ、先輩…」



《ん？》



「元彼に…やり直さないかって言われました…」









やっとの思いで絞り出した言葉

沈黙が流れると電話口から

大きな溜息が聞こえた




何を言われるのか？

不安だったのにジョングク先輩の返答は

予想外のものだった









《良かったじゃん》



「…え？」



《まだ好きなんだよね？》



「…え、それ、はっ」



《ならヨリ戻しなよ》



「…先輩」









“ やめときな ” って言われるかと思った

“ ヨリなんか戻す事ない ” って否定されるのかと…




でもジョングク先輩は

明るい声で喜んでくれた









《まだ好きならもう一度信じてあげてもいいんじゃないかな？》



「…先輩、それ本心で言ってますか？」



《え？なんで？》



「なんでって…」









こんな考えは間違ってるかも知れない

だけどなんかこんな展開は違和感しかない

だって先輩は私の事を好きだって

付き合って欲しいって言ってくれたのに…




そんなアッサリと背中を押すような

そんな言葉をなんで言うの？




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