28 ページ28
・
人に甘える事は悪い事だと
人に頼るのは自分が弱い事だと
ずっとそう思って生きてきた
だけどジョングク先輩は
私の背中を優しくさすりながら
『大丈夫…大丈夫だから』って
何度も小さく囁いてくれた
体調が悪かったせいもあるけど
ベッドサイドに座る私を
立ち上がって頭ごと抱き締めてくれた
ジョングク先輩の腰にそっと腕を回して
ギュッと服を掴めば声を殺して小さく泣いた
『ゆっくり休んで？横になろう？』
私の肩をトントンと叩くと
ベッドに横になるように促すから
私はそれに素直に応じた
首元まで布団を掛けてくれて
頬に伝った涙を手の甲で拭ってくれた
『ね、やっぱり俺と付き合って』
「…」
『期間を設けてもいい…だから今から付き合って欲しい』
ジョングク先輩は
そう言いながら私の前髪をそっと指先で掬う
「…はい」
あんなに考え込んでたのに
ジョングク先輩に言われたら
意図も簡単に返事をしていた自分に驚いた
だけどきっと甘えていいんだ
頼っていいんだって思ったら
自然と断る理由なんかなかった
恋愛感情があると言うよりは
他人に対して安心感を求めていて
それでもいいのだろうかって思ったけど
ジョングク先輩があまりにも
嬉しそうに笑うから
そんなのどうでも良くなってしまった
『Aちゃん…今日はずっとここにいるから』
「…え、」
『こんな状態で帰るなんて出来ないし』
ベッドサイドに座ると
そっと私の頭を撫でる
私は布団から手を出して
撫でている手を掴んだ
「でも…」
『仮にも今は俺はAちゃんの彼氏だから』
「…っ」
『彼女が大変な時に何もしないなんて出来ないよ』
掴まれていた反対の手で
今度は私の手をギュッと握ったジョングク先輩
『1人にしないからゆっくり寝ていいよ』
ー 心配しないで
ー もう1人じゃないから
その言葉に妙な安心感を抱き
私はそっと目を閉じた
起きたらジョングク先輩がいなくても
そう言ってくれるだけでも
私は嬉しかったし心強かった
味方がいる
この安心感は何にも代え難い
握られた手が暖かくて
ギュッと握れば
更に強い力で握り返されて
自然と口元が緩んでしまった
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 540人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Nono(プロフ) - alexandrite_bbcさん» コメントありがとうございます泣 更新がんばります！！ (2018年10月12日 13時) (
レス) id: b0c038c85f (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 更新とても楽しみに待っております^^ (2018年10月12日 9時) (レス) id: 96ec3bb179 (このIDを非表示/違反報告)
Nono(プロフ) - さっちゃんさん» コメントありがとうございます泣 生き甲斐とか…もう感謝しかないです！！更新の励みになります！！ (2018年10月8日 12時) (レス) id: b0c038c85f (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん(プロフ) - Nonoさ〜んヽ(；▽；)ノもう堪らんです〜(泣)ドキドキしてニヤニヤして変人がここに← 毎日毎日楽しみで楽しみで（ ; ; ）私の生き甲斐です！(大袈裟)もう大好きです〜〜！！(><) (2018年10月7日 23時) (レス) id: 77a52bcd61 (このIDを非表示/違反報告)
Nono(プロフ) - ちむちむさん» コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2018年9月27日 19時) (レス) id: b0c038c85f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Nono
| 作成日時：2018年9月22日 0時
