＋ようこそBTSworldへ＋Anoter story

10* ページ10

・




TH「A」




A「はい？」









いきなり名前を呼ばれて

私は顔を上げる

するとテヒョンさんに

大きな両手で頬を包まれる









TH「何、考えてるの？」




A「え、」




TH「なんかボーッとしてる…」




A「いや、その…；」









テヒョンさんはこうやって

ストレートに聞いてくる

やっぱり狡いなって思う

だからと言って何も言わない訳じゃない

こんなふしだらな事を考えてるなんて

テヒョンさんに知られたくないだけ









A「何でも…ないです…疲れてるんでsッ」









言いかけた瞬間に

目の前が真っ暗になって

唇に暖かくて柔らかい感触がした









いつもの優しいキスだ…

離れては寄り添う

軽く触れては呼吸を整える為に

一旦、離れて小さな吐息が聞こえる









そう、いつもの…









A「！？」









そう思っていたのに

優しく包まれていた手は

片方は私の後頭部を押さえ

もう片方は私の顎を掴み

クイッと持ち上げられた




持ち上げられた瞬間

微かに開いた口の中に入って来た物に

私は肩をビクッとさせて

テヒョンさんの腕を掴んだ









テヒョンさんは何も言わない

こんなキスは初めてで

自分の舌に何かが絡む感触が

とても気持ちを変にさせた









A「テッ…テヒョn…」









テヒョンさんの腕を掴んだ手に

グッと力が入るとギュッと目を閉じた

優しくないから怖い

知らない行為だから不安

何が正解で何が不正解なのか

頭がボーッとして来て

テヒョンさんが離れた時には

私はテヒョンさんの胸に倒れ込むように

抱き付いてしまった









TH「A…好きだよ、」









ギュッと抱き締められた腕

ゆっくり顔を上げると

私を見下ろすテヒョンさんは

ニコッと笑うとおでこにキスを落とす









言葉はなくてもこうやって

行動で示してくれるなら

それでいいじゃないかって

割り切れればいいのに…

私はどうやら言葉も欲しいみたいです。









テヒョンさんの笑顔に

少し胸がチクッと痛んだ









好きなら…

愛してるなら…

もっと言葉で言って下さい

もっとたくさん知りたい

誰よりもたくさん

貴方の事を知りたいです









気が付けば私は目に涙をいっぱい溜めて

瞬きしたら溢れてしまうんじゃないかって位に

涙を溜めた




・

11*→←09*

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す