【SVT】make a good living. (ページ12)

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「ウォヌや、もう行ける？」

「ん。…あれ」

薄く化粧してるじゃん。ステージやカメラの前のとは違って派手な色は使ってなくて、雰囲気が優しい。俺がさっき言ったこと気にした？俺はそんな準備する事もないし用意終わったら呼びにくるだろうとは思ってダラダラしてたけど、そんなに時間は経ってないはず。こんな短時間でメイクって出来るもんなのか。女って凄い。

「…なに。」

「かわいいね。」

「そう？ジュニの借りたの。少しサイズ大きいけど」

「違う。Aちゃん。」

かわいいよ。って彼女の頭を撫でてみたら、ぼんって効果音通りに顔を赤くして腕を叩いてくる。だから攻撃力。フェアじゃないってば。照れてる顔見てやろうって顔を覗き込もうとしたら掌でほっぺを押されて、掴まれた手は下された。

「で？どこ行くって？月？」

「8時間も歩けないくせに」

「そしたらおぶってもらおー。」

「やだよ！重い！」

おんぶしてもらうみたいに首に腕を回してもたれかかって、すぐ真横にあるピンク色のほっぺに唇を押し付けた。Aちゃんは隙を突いた攻撃に弱いから。途端に大人しくなった彼女の肩を掴んでこっちを向かせて、ジュニのパーカーのフードを被せて首の紐を結んであげる。これで少しは赤くなった顔が隠れるんじゃない？まるで小動物みたいだけど。

「可愛いね、Aちゃん」

「…しつこい」

「うわ、心外だな。」