もう1度氷の上に。。。２【男主】【YOI】【ヴィクトル・ニキフォロフ】 (ページ16)

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「Aがリンクに行くようになってから様子が変わったのは少しだけど気づいてたよ。だから、いつ俺に相談してくれるかなって待ってたんだ。でもキミは1人で抱え込んだまま1人で病院に行った。」

ヴィーチャの眉間にシワがよっていく。

そして、吸い込まれるようなスカイブルーの瞳からぽつっとダイヤモンドのように輝く雫がこぼれて俺の頬に落ちた。

「ねぇ、A。なんで俺に言ってくれなかったの？俺は、Aのパートナーじゃないの？」

「。。。言えるわけ。。。ないじゃん。。。俺も考えて、言わなかったんだ。」

そこまで言うと、ヴィーチャは目で「なぜ？」と訴えてきた。

「みんなの。。。。、邪魔したくなかったから。現役の、世界のトップスケーターや、これからの未来を担うスターたちの邪魔なんてしたくないでしょ？だから言わなかった。余計な心配かけたくなかった。とくに、貴方。ヴィーチャには迷惑かけたくなかった。」

するとヴィーチャは体制を変えて、俺の胸板に顔を埋めた。

「。。、バカだなぁA。なんでもかんでも1人で背負い込んで。」

「。。。。バカって言わないでよ。」

「バカだよ。ホントばか。俺、ヴィクトル・ニキフォロフは誰のパートナーなのかな？」

「。。。。」

「それに、人は1人では生きていけないんだよ？知ってるでしょ？」

「。。。っ、でもっ。。！！」

「でもなに？？いいだろう？キミのパートナーは俺だ！誰にも譲らないよ？！俺にぐらいは、いや、俺には頼ってくれてもいいでしょ？？？」

わかってたことなんだ。

俺が頼れるのはヴィーチャしかいないって。

けどそれは、世界的大スタースケーターの練習を邪魔してしまう。

何度も頭の中で考えた。

考えた結果、やっぱり迷惑はかけられないと思った。

でも、ヴィーチャがそんなこと許してくれるはずないんだよね。

「。。。ごめんね。ヴィーチャ。。。」

そう言うとヴィーチャは顔を上げてまた俺の顔を見た。

「俺は。。。、っ。。あなたと、一緒にっ、踊りたいっ！！」

こらえていたものが、ポロポロと零れる。

ヴィーチャはそんな俺を見て、俺をギュッと抱きしめて、

「うん。Aは焦ってたんだよ。焦る必要なんてないよ。ゆっくりやっていこうね。」