５８ ページ15
パチっと目を開ければ、見慣れた天井が視界にうつった。
「。。。なんで。。」
病院にいたはずなのに。
自分がいまいるのは間違いなく自分の家だ。
ちらっと横を見るとマッカチンが俺の横に寝そべって気持ちよさそうに眠っていた。
「マッカチン。。。」
すすっとマッカチンに手を伸ばして頭を撫でた。
するとマッカチンは目を覚まして、クゥーンと俺に向かって鳴いた。
その鳴き声はまるで。。。、
「。。。心配してくれてるの。。。。？」
そう聞くと、ワフッとマッカチンがあくびのような返事をした。
ガチャッ
「A。。。、起きた。。？」
部屋のドアが開いて、愛しい人の声が聞こえた。
「。。。。うん。」
ムクリと身体を起こすと同時に、ヴィーチャが俺に飛びついて、せっかく起こした身体は再びベッドへと倒れた。
俺の顔の両サイドに手をついて、ヴィーチャの顔が俺の真上にきている。
「。。。。なんで1人で黙って病院行ったの。。。？」
「。。。。」
怒っているようにも聞こえたが、怒っているというよりはどこか悲しみに満ちた声だった。
なにも話したくなかったので、とりあえず黙っておく。
「。。。黙ってないで、返事してよ。。。心配したんだよ。。。。？Aがまた、攫われたりしたんじゃないかって。。。」
ヴィーチャの綺麗な瞳が揺れ始める。
「。。。ごめん。。。」
心配をかけてしまったのは申し訳なかった。
でも、俺の頭はそんなことを考える余裕すらなかったんだ。
謝ることしかできない。
でも、謝ることも正直したくない。
何もしたくない。
いまはただ、
消えたい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 284人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みずきち | 作成日時：2017年1月17日 22時
