ん ページ7
Aside
暑い日差しの中をかいくぐる様に日傘をさして歩く。蒸した空気が湿気を帯びて体にまとわりつく。
足が重い。
息苦しい。
歩いても歩いてもつかない様な気がする。
楽しそうに、はしゃぎながら友達と歩いていくcrewの人達にどんどん追い抜かれている。
響く笑い声と充実に満ちた声のカケラを見ながら顔を伏せた。
A「……………私何してんだろ」
本当に馬鹿みたい。
言葉に甘えさせてもらえばよかった？
でもそんなことできない。
もうどうにもならないことを悩んでいると頭に浮かんでくるのは呪いの言葉だ。
『思考回路ぐるぐるり
喉に閊えて吐き出せない
私はどうして生きてるの
満足に言葉も口に出来ない
貴女はどうして生きてるの』
頭の奥でじわじわと嫌な言葉が染み出してくる。
やめて。
何も言わないで。
否定しないで。
自分の中に巣食う呪いにも似た忌まわしい記憶。
私はまだそれから逃げ出せないままだ。
「いじめ」という名前の過去で生まれた、自分の存在証明の欲しがり。
何で嫌われたのかも分からない。
気がついたら係の仕事を押し付けられて。
暴言を吐かれた。
誰も話しかけてこない日々は孤独だった。
それでも学校を休んだり泣いたりしたら、負けを認めるような気がして。
ストレスばかり貯めて毎日頭痛薬を飲んでいた。
「歌い手」さんがいる、と知ったのは中二のその頃だった。
歌は好きだったけどテレビに出ているようなアイドルグループは苦手で、純粋に歌だけ聞きたいのにちかちかして見えて好きじゃなかった。
歌ってみた、で検索をかけて出てきたのが浦島坂田船だった。
テレビよりはっきり音が聞けるし、声が好みだったため一気にはまった。
実際顔が分かるわけじゃないのが気楽だった。
A「へー顔出ししてるんだ」
写真を見た瞬間ポカンと口を開けてしまった。
え？イケメンじゃんね？
口元隠れてるけど相当なイケメンじゃん。
テレビの男性アイドルグループより断然好みの顔。
A「イケメン見てると癒される」
それに気がついた私はいじめっ子たちの嫌がらせを苦にしなくなった。
イジメ「こいつに近寄りたくないし」
A「近寄りたくないならそっちが移動したら？(動く気は微塵もない)」
イジメ「Aって本当ブスじゃね？デブだし」
A「ブスでデブで悪かったね？てかあんたらも鏡見て来れば？卑屈で底意地悪そうな見るのも嫌な顔面が映るよ」
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丙 - ありがとうございます。頑張りますね！ (2019年6月17日 20時) (
レス) id: c1b6b5f4c6 (このIDを非表示/違反報告)
てろち - 夢主ちゃん羨ましいなぁ…更新頑張ってくださいΣd(ﾟ∀ﾟd) (2019年6月15日 23時) (レス) id: 999d763a4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：丙 | 作成日時：2019年6月13日 20時
