32.勘違い ページ31
IDOLiSH7の二度目の野外ライブは、アクシデントを完全に味方に変え、発表されるまでは演出だと本気で思わせるほどの大成功に終わった。
同行したタレント達はもちろん、そこまで乗り気じゃなかった涼夏も、IDOLiSH7の魅力をよく理解してくれたようだ。
涼夏「今日、事務所の人と話してるところとか、アクシデントについて話してるところとか、推しをみてるところとか……。今まで見たことないAを見て、きっとAはみんなに愛されるアイドルになれると思ったよ」
ライブからの帰り際、そんなことを言われた。
沢山のアイドル達を見てきた涼夏から、そんな激励の言葉を送られると、きっとそうなんだろうなという気にさせられてしまう。
みんなを笑顔に、幸せにする。
今の私の全てを尽くして、それは叶うのだろうか。
事務所を建て直すことはできたとしても、その先は？
私はまた、ファンを悲しませてしまうのだろうか。
……アイドルをまた始める以上、もうそんなことはしたくない。
でも、今持っている武器だけでは圧倒的に足りない。
「もう、足りない所を補ってくれた人達はいないんだもんな…」
ふと、仏壇をみる。
プリムラのプロデュースをしてくれたのはお母さんだった。
お父さんは裏側で根回ししたりHPを開設したり、裏方で助けてくれた。
これからは、それを一人でやらなければならない。
お父さんが残したUSBメモリをPCに差し込む。
プリムラの映像を目にするのは、アイドルをやめて以来な気がする。
例えば、私が笑ったとき、歌ったとき、話をした時、応援した時、悲しんだ時、別れを告げた時。
ファンはどんな表情で、私を見ていたんだろう。
ステージは輝きすぎて、見たいものが見えないこともある。
それに、プリムラとしての最後の方の記憶は、今後の自分を取り巻く環境への恐怖でいっぱいだったから、なかなかファンと向き合うことが出来ずに終わってしまった。
でも今なら向き合える気がする。
「あ…この人、初めてLIVEした時から来てくれてた人だ…。この人は、握手会で泣いちゃった人…。あ、あの人も…」
「みんな、私が笑ったら笑ってくれる。歌う時は、私と同じくらい歌が好きって顔してくれるし、泣いてくれる…」
「……私が、笑顔でいれば、みんな笑顔でいてくれるかな……？ ただ、それだけで、幸せになってくれる……？」
「なんだ…簡単なことだったんだ…。」
私はずっとプリムラのときから、勘違いしていたんだ。
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津々里 捺貴(プロフ) - たかめいさん» ありがとうございますー！！頑張ります！！！！ (2020年4月2日 2時) (
レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
たかめい(プロフ) - この作品とっても好きです！これからも更新頑張ってください！ (2020年4月2日 0時) (レス) id: 651a3f3b57 (このIDを非表示/違反報告)
津々里 捺貴(プロフ) - 気付いたら10000hit…ありがとうございます！更新まばらで申し訳ない！ (2020年3月19日 17時) (レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
津々里 捺貴(プロフ) - 1000hitありがとうございます！ (2020年2月28日 1時) (レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
津々里 捺貴(プロフ) - あまりにもアイナナでるの遅いですけど、出ますから！！！安心してのんびりお待ちいただければ！！！ (2020年2月21日 23時) (レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：津々里 捺貴 | 作成日時：2020年2月14日 3時
