12.考え ページ12
葬式や火葬などが一通り終わり、一旦、日常生活に戻ってきた。
だが、家にはもう二人が帰ってくることはない。
増えたのは、仏壇と、二つの御骨箱と遺影。
痛かっただろうな。
まだ、やりたかったことたくさんあっただろうな。
まだ、IDOLiSH7の話できてなかったのにな。
たくさん、彼らの話をしたかったな。
遺影を見ては、ずっとその言葉が頭を巡った。
でも、そんなことばっかり考えているわけにもいかない。
？「事務所はこれからどうなるの…？」
？「社長達の他に経営に関係してたのって、正直山守さんだけでしょ…？」
？「え、でもあの人ってサポートしてただけで直接関わってたわけじゃないよね」
？「え、そうなの？ じゃあ事務所はだれが…」
？「私たちもやばいでしょ、この状況…。どうしよう、これから…」
？「俺なんて、再来週初めてゴールデン出演だったのに…」
所属タレント達からひそひそ聞こえてきた不安の声。
他の業界人からも何度も聞こえてきた。
どうしよう。
それは私が一番悩んでいることだ。
私の進路とか生活費は、両親の保険や、何かのためにと使わないで取っておいてくれた私の昔稼いだお金があるので全く問題はない。
だが、所属タレント達は違う。
急に会社の経営が傾くということは、彼らを解雇しなければならなくなるということ。
そしてそれは、彼らの芸能人としての死を意味することになってしまう。
絶対に、それだけは嫌だ。
スマホを取り出し、電話をかける。
「……あ、山守さん。話したいことがあるんだけど、まだ事務所にいる？」
山守「今丁度仕事が終わったところだよ。ひと休憩したら帰ろうと思ってたから、そっち寄ろうか？」
「ううん、私が行く。お父さんとお母さんの持ち物も持ってきたいし。すぐ行くから待っててね」
山守「わかった。気をつけておいで」
この決断が、考えが正しいのかは正直わからない。
一番相談したい相手はもうこの世にいない。
なら、もう自分で出した答えを信じて走るしかないんだ。
IDOLiSH7はどんな時でも、自分の好きなことを全力でやるんだ。
私も彼らみたいに、全力でやるしかない。
自分にそう言い聞かせながら、小走りで事務所に向かう。
「山守さん！！」
山守「Aちゃん？！ 走って来たの？！」
「私、この事務所継ぐ！ あと、最初の大仕事は、私をアイドルデビューさせる事！」
こうして、二度目の人生が始まった。
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津々里 捺貴(プロフ) - たかめいさん» ありがとうございますー！！頑張ります！！！！ (2020年4月2日 2時) (
レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
たかめい(プロフ) - この作品とっても好きです！これからも更新頑張ってください！ (2020年4月2日 0時) (レス) id: 651a3f3b57 (このIDを非表示/違反報告)
津々里 捺貴(プロフ) - 気付いたら10000hit…ありがとうございます！更新まばらで申し訳ない！ (2020年3月19日 17時) (レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
津々里 捺貴(プロフ) - 1000hitありがとうございます！ (2020年2月28日 1時) (レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
津々里 捺貴(プロフ) - あまりにもアイナナでるの遅いですけど、出ますから！！！安心してのんびりお待ちいただければ！！！ (2020年2月21日 23時) (レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：津々里 捺貴 | 作成日時：2020年2月14日 3時
