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四十九、お守り ページ4

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「やだあっ…やだあっ」




女の子が泣きながら、絞り出すように言葉を零す。

目からポロポロと零れる大粒の涙を、女の子より少し大きな男の子が拭った。




「A、泣かんで。お願いや。」




男の子は困ったように女の子の頭を撫でる。

それでも女の子の涙は止まらない。




「A、大きくなったら絶対迎えに行ったるから、やから、泣かんで?少しだけ、待っとって?」

「…ほん…とに?」

「おん、絶対。なあ、手、出して?」

「…手?」

「はい。」




そう女の子の手に置かれたのは、小さな小さな白い花だった。




「これ…なあに?」

「すずらんっていうんやで。」

「…すずらん?」



男の子がこくりと頷く。




「Aがまた笑えるように、お守りやで。」




男の子はそう寂しそうに言葉を零すと、女の子を小さな腕で抱きしめる。




「いやや…行かんで…。」









“__!!”




はっと目が覚める。

急に意識が呼び戻されたせいで、上手く頭が働かない。



_夢…か。



真っ暗闇の中で頬が濡れてるのだけはわかった。

最後に発したのは、きっと名前だ。

待っててと、迎えに行くと約束してくれた彼は、誰だったのか…。

けれどどうしてもその部分だけ、抜け落ちたように思い出せなかった。









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いつき(プロフ) - サイド読んで胸がギュッとしました (2020年6月11日 16時) (レス) id: 8b7262866a (このIDを非表示/違反報告)
つづり(プロフ) - しらたまさん» ありがとうございます。ゆっくりにはなってしまいますが、面白いと思っていただけるよう頑張りますね。 (2019年2月17日 11時) (レス) id: 063d02935e (このIDを非表示/違反報告)
しらたま(プロフ) - これからの展開がとっても気になります、、 (2019年2月17日 0時) (レス) id: 04ec2ee818 (このIDを非表示/違反報告)
つづり(プロフ) - いつきさん» コメントありがとうございます。そんな風に言って頂けて嬉しいです。このお話は初めて書いたものですし、自分自身大事に思っているので、しばらく更新していなかったのですが、最後まで書くつもりでいます。近いうちに更新するので、良かったらお付き合い下さい。 (2018年11月20日 9時) (レス) id: 2b8a9cbc91 (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - すごい心に刺さるお話でもう少し早く出会っていたら完結まで見れたのかなと悲しく思っています。素敵なお話で続きが気になります。気が向いて書いてくれるのを楽しみにしてます。 (2018年11月20日 3時) (レス) id: 9589088492 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:つづり | 作成日時:2018年9月9日 23時

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