四十八、恋愛なんて ページ3
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「なあ。」
望と少しだけ距離をあけて横並びに黙って歩いていると、望が不意に歩みを止めた。
反射的にそちらを見ると、望は怒っているような、悲しんでいるような、そんな何とも言い難い表情をしている。
「ん?」
「あの人とどんな関係なん。」
「どんな…って。」
「彼氏?」
予想外の問に「へ?」と間抜けな声が出てしまう。
思考が停止する中で、顔が火照っていくのだけはわかる。
「そんなんじゃないから!」
「…ふーん。」
首をぶんぶんと抜けそうなほどに振るが、望は素っ気なく返事を返して再び歩き出してしまう。
智への想いは、時間と共に募りに募っていく。
けれど、付き合いたいとか、そういう事は考えたことがなかった。
_恋愛。
今までそんなことを自分が考えていいとは何故だか思えくて、遠ざけて通ってきたもの。
「望は誰かと付き合ったこととかあるの?」
望はきっとモテるから、通ってきた道なのだろうと、何となく聞いてみる。
「あらへん。」
「え。」
「…なに。」
「ううん、意外。望モテるだろうから。」
「モテても俺が好きやないと意味無いやん。」
「…そこは否定しないんだ…。」
「…まあ。」
「なら、好きな人、いるの?」
望は私の少し先で立ち止まる。
後ろ姿が大きい。
ああ、彼も男の人なんだと、ふと感じる。
「…さあ。」
不機嫌そうに振り返る望。
私はきっと、まだ望のことを何も知らない。
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いつき(プロフ) - サイド読んで胸がギュッとしました (2020年6月11日 16時) (レス) id: 8b7262866a (このIDを非表示/違反報告)
つづり(プロフ) - しらたまさん» ありがとうございます。ゆっくりにはなってしまいますが、面白いと思っていただけるよう頑張りますね。 (2019年2月17日 11時) (レス) id: 063d02935e (このIDを非表示/違反報告)
しらたま(プロフ) - これからの展開がとっても気になります、、 (2019年2月17日 0時) (レス) id: 04ec2ee818 (このIDを非表示/違反報告)
つづり(プロフ) - いつきさん» コメントありがとうございます。そんな風に言って頂けて嬉しいです。このお話は初めて書いたものですし、自分自身大事に思っているので、しばらく更新していなかったのですが、最後まで書くつもりでいます。近いうちに更新するので、良かったらお付き合い下さい。 (2018年11月20日 9時) (レス) id: 2b8a9cbc91 (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - すごい心に刺さるお話でもう少し早く出会っていたら完結まで見れたのかなと悲しく思っています。素敵なお話で続きが気になります。気が向いて書いてくれるのを楽しみにしてます。 (2018年11月20日 3時) (レス) id: 9589088492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つづり | 作成日時:2018年9月9日 23時