七、明日の約束1 ページ8
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コンビニで昨日と同じ缶詰を買い、早足で公園に向かう。
時間の約束はしていなかったが、あんなに心配していた彼のことだから、きっと昨日と同じくらいに来ているだろう。
少し申し訳ない気持ちになりながら公園へ急いだ。
公園につくと、ベンチに昨日の彼がいた。
入口で立っていると彼が気づき、近づいてくる。
「よかった。来たな。今日はさらに遅いんやね。来ないかもなとちょっと思った。」
困ったように笑って、でも優しい表情で彼は言った。
私はなぜだかその笑顔に少しほっとしていた。
「オカンにでも止められたん？･･･そう言えばそのほっぺどうしたん？真っ赤やで？ほんまに喧嘩でもしたん？」
父を止めた時に腕でも当たったのだろうか。背中の痛みで気づかなかった。
「ちょっと、ぶつかってしまって･･･大丈夫です。そんなに痛くないので。」
「君はもうちょっと自分のこと女の子やってちゃんと自覚した方がええで？大切にせな。痕でも残ったらどうするん。ちょっと待っててな。」
彼はそう言うと、水道で小さなハンドタオルを濡らして渡してくれた。
タオルを頬にあてて初めてそこが熱を持っていたことに気づいた。
「あの、そう言えば、猫は･･･？」
来た時から子猫の姿が見当たらなかったので、不思議に思っていたが、どうしたのだろうか。
「猫な、探したんやけど、おらんくて。どこか行ってしまったんやろか。せっかく来てくれたのにな。」
再びベンチに腰掛けながら、彼が言う。
「座ったら？」と軽く促され、私も隣に腰掛けた。
「飼い主もな、今日は見つからんかった。ペット禁止のとこばっかりで、ごめんな。」
首を横に振る。仕方の無いことだった。
「むしろ、君の周りとかの方が猫とか喜びそうやけど、友達とかでおらんの？」
彼の言葉に少し胸がぎゅっとなる。
出来れば私も探したいが、それが出来なかった。友達らしい友達なんて、私には一人もいない。
黙ったまま俯いていると、彼がタオルを私の手からとり、再び水で濡らし始めた。
「まあ、そんな簡単には行かへんか。しかも、猫もうここには来ないかもしらんしなあ。」
ぎゅっとタオルを絞り、「それ、持って帰ってええよ」と再びタオルを渡してくれた。
小さくお礼を伝えると、少し笑ってくれた。
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つづり(プロフ) - Moco.さん» コメントありがとうございます。初めていただいたコメントということもあり、とても嬉しかったです。ご期待に添える展開になるかはわかりませんが、精一杯頑張ります。元気をいただきました。ありがとうございます！ (2018年6月7日 1時) (
レス) id: 2b8a9cbc91 (このIDを非表示/違反報告)
Moco.(プロフ) - お話の世界に引き込まれて30頁一気に読んでしまいました。今後の展開がとても楽しみです！応援しています！ (2018年6月6日 11時) (レス) id: a529d7a9bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つづり | 作成日時：2018年3月21日 3時
