四十五、月日 ページ46
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それから、季節が一つ、二つと過ぎていった。
智との関係は相変わらずだけれど、確実に心の距離は縮まっている。
何度か一緒に出かけたこともあった。
クロはあんなに小さかったのが嘘のように大きくなり、可愛らしかった顔立ちも、凛とした表情に変わっていた。
学校では望と一緒にいるのが当たり前になっていた。
流星は相変わらず学校に来ないことが多いけれど、来ればいつも行動を共にしている。
あんなに長い間続いた“ストレス発散”も、今ではもうない。
けれど、母親と父親の関係は日に日に悪化していっている。
母親とは、あまり顔を合わせなくなった。
父親は、家に帰らないことが増え、帰っても酔っ払って手がつけられないことがほとんどだ。
それでも、私は幸せだった。
たとえ痛くても、苦しくても、その分楽しいことも、嬉しいこともあったから。
望がいつも、笑わせてくれたから。
智がいつも、笑ってくれたから。
それだけで、世界が優しく思えた。
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つづり(プロフ) - Moco.さん» コメントありがとうございます。初めていただいたコメントということもあり、とても嬉しかったです。ご期待に添える展開になるかはわかりませんが、精一杯頑張ります。元気をいただきました。ありがとうございます! (2018年6月7日 1時) (レス) id: 2b8a9cbc91 (このIDを非表示/違反報告)
Moco.(プロフ) - お話の世界に引き込まれて30頁一気に読んでしまいました。今後の展開がとても楽しみです!応援しています! (2018年6月6日 11時) (レス) id: a529d7a9bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つづり | 作成日時:2018年3月21日 3時