四十二、再会 ページ43
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翌朝、家を出ると、今日も望が迎えに来ていた。
望は少し気だるそうに「うす。」とこぼし、そのまま並んで学校に向かった。
教室に着くと、何やら生徒達が誰かを囲んでざわざわしている。
輪の中心を人の隙間から除くと、その意味をすぐに理解した。
「これ、なんなん?」
「ああ、きっと藤井くんのせいだと思う。」
「誰?そんなやつおったっけ?」
「望は会ったことないと思う。だいたい学校休んでるから。」
「なんで?不登校なん?」
「違う違う。読モとかやってて、なかなか学校に来れないんだって。」
藤井流星は誰が見てもイケメンと思うような男で、鼻が高くハーフのような綺麗な顔立ちで、しかも高身長。
私自身数回しか見たことはないけれど、同じ人間だとは思えないオーラをまとった人だった。
「え・・・あれって・・・。」
「望?」
「流・・・星・・・?」
「へ?」
「なあ、流星やんな!」
望は高揚したように大きめの声で彼の名前を読んだ。
藤井くんを囲んでいた視線が一気に望に集まる。
真ん中にいた藤井くんが顔を上げると、目を見開いた。
「え・・・もしかして、望・・・?」
望は「おん!」と嬉しそうな声を上げて、藤井くんのもとへと人をかき分けて行った。
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つづり(プロフ) - Moco.さん» コメントありがとうございます。初めていただいたコメントということもあり、とても嬉しかったです。ご期待に添える展開になるかはわかりませんが、精一杯頑張ります。元気をいただきました。ありがとうございます! (2018年6月7日 1時) (レス) id: 2b8a9cbc91 (このIDを非表示/違反報告)
Moco.(プロフ) - お話の世界に引き込まれて30頁一気に読んでしまいました。今後の展開がとても楽しみです!応援しています! (2018年6月6日 11時) (レス) id: a529d7a9bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つづり | 作成日時:2018年3月21日 3時