Youtuber 短編集

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“笑わんと聞いてな”

と前置きしてから恥ずかしそうにして。





「ずっと前から好きでした」




何の前触れもなく言われた言葉に頭が追いつかない。


「隣の席なる前から気になっとって、隣なれてめっちゃ嬉しかった。席替えして離れても横顔か後ろ姿見れたら良いって思っとったら前なってまうし…。」

目を泳がせながら、言う。

「でももうちょっとで卒業やし、伝えたかった」


「俺、勉強も運動もそんな得意ちゃうし、へたれでびびりやけど」




「Aのこと一番好きなんは俺やと思う」

真っ直ぐ目を見据えて。





「...好き」

「え？」

「いっくんのこと好き」


今度はいっくんが呆気にとられている。


この空気が堪らなく恥ずかしくて。

「なあ、黙らんといて、なんか言うてよ」

手を掴んで揺らす。






「良かったあ」

「何が？」

「だってほんまに好きな女の子には自分から告白したいやん」

「...なんそれ」

「顔真っ赤やで？」



「これで卒業しても一緒におれるな」



彼との別れまでのカウントダウンは
彼との新しい毎日が始まるまでのカウントダウンになった。

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