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「なぁ、お姉さん危ないよ」
いつもなら放っておくのだが、酒に酔った勢いか話しかけていた。
「なんか買って来るから。そこの公園にでも。」
目についたコンビニで適当に飲み物を買いいないだろうなと思って戻ると一人でブランコをこいでいた。
変わった子だなあと思いつつも今まで出会ったことのない彼女に惹かれる。
はい、と手渡したのはチューハイ。
危ないから、などという訳の分からない理由をこじつけて待たせた挙げ句、手渡したのは酔い冷ましの水ではなくチューハイ。
きっと早い話がこの子と呑みたかっただけなんだろう。
ありがとうございます、と呟くように言ったその声が熱を持った体に響く。
「悪いけどちょっとだけ俺に付き合ってよ。」
手のひらに伝わる缶ビールの冷たさを感じながら口をつけた。
「なんかあったんですか。」
「彼女にふられた。」
ははっと自嘲を含めた笑いをとばす。
なさけねえなあとか思いつつも一度言ってしまえばもう全部吐き出したくなって。
「疲れたんだって、俺に。
わりと順調だったと思うんだけどなあ。」
そうすると彼女も含み笑いをして、缶に口をつけた。
「同じですね。」
火照った体に冷たい夜風が当たり、彼女の髪を微かに揺らした。
「きっと、私がいけなかったんです。」
ぽつぽつと話し出す。
「私が幼すぎたから。彼はきっとそれが。」
「彼のこと、まだ好き?」
「いえ、彼にはもう新しい彼女が。」
捨てられるってこういうことなんですね。
ゆらゆらとブランコをこぎながら悲しそうにうつむく彼女の腕を引き寄せてキスをした。
口づけたまま右手で頬を触ると思っていたよりも冷たい。
乱暴に掴むと折れてしまいそうな細い手首を掴むと音を立てて缶が砂の上に落ちた。
手を取り腰に回すと、より彼女を感じた。
その瞬間だけは彼女以外全てが見えないし聞こえないし感じなかった。
とても長く感じた。
居心地が良かった。
ゆっくりと離すと彼女の透き通るような頬や吸い込まれるような目にまた見惚れてしまった。
「ひどいことしますね」
決して、一瞬たりとも俺から目を逸らすことなく言った。
「...こんなことされたら、もうあなたのこと忘れられない。」
まばたきすらも綺麗だと思えた。
「忘れられないようにしてやったんだよ」
お前が俺に忘れられなくしてしまったから。
月の光りが彼女の為にあるように感じた。
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黒蝶舞夜 - 桐崎栄二君と妹さんとの取り合いってできますか…？できるならお願いします！ (2017年3月22日 6時) (
レス) id: e11ce2b783 (このIDを非表示/違反報告)
つゆ(プロフ) - 黄色さん» 遅くなってごめんなさい！書いてみました！かんたくんサイドですが良い感じに書けたと思います(？) (2017年3月13日 17時) (レス) id: a62b1469fd (このIDを非表示/違反報告)
黄色 - 水溜りボンドはいけますか？シチュエーションは彼女が熱出して一緒に病院行くっていうやつで。寛太君でお願いします。 (2017年3月12日 13時) (レス) id: 136afa95e4 (このIDを非表示/違反報告)
つゆ(プロフ) - suzuさん» ありがとうございます、そう言ってもらえると嬉しいです！ (2017年3月7日 7時) (レス) id: a62b1469fd (このIDを非表示/違反報告)
suzu(プロフ) - はじめまして！いつも楽しませてもらってます！ジョージのお話が個人的に大好きです。これからも頑張ってください！ (2017年3月7日 0時) (レス) id: 2e43b98772 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つゆ | 作成日時：2016年9月25日 14時
