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「ふーん……それならいいけどね」
母はちらりと私を見て、また目線をカレーに戻した。まるでなんでもなさそうな目線だったが、そこに隠されている意図を私は読み取った。母なりに心配しているのだろう。帰宅部生活を続けていた娘が、突然男バレマネージャーになるなんて言い出したりして。その時も深く追求しなかったけれど、微笑みの裏ではきっと心配で心配でたまらなかっただろう。私は小さいころから社交的なタイプではなかったし、心を通わせる友人もいたことがない。家に友人を上げたことすらないのだから。
だから、私は母を安心させるためにも、こう小さく呟いた。
「……大丈夫だよ。バレー部のヤツラも皆面白いし、ゲーム好きな友達も出来たし。今までで一番青春してるって感じする」
それを聞くと、母はふっと顔をほころばせ、母性たっぷりに微笑んだ。
「そう。……ならよかった。
……ところで、クラスはどんな感じ？ やっぱり付き合ってる子とかいるの？」
そのまま、母は次の質問に突入する。彼女はかなり噂好きなのだ。中学校のころは私も知らなかった学年のカレカノ情報を知っていたくらいだ。恐ろしい情報網。
顔をニヤニヤとさせながら訊ねてくる。それはまるで我々非リアへの屈辱のようだ。この母の噂話のクセは全く好きではない。
「……付き合ってるかどうかとかは知らないよ。まあクラスの仲もよくて、いいんじゃない？ あ、もちろん友情の意味でね」
どうせ一年終わったらクラス替えするんだ。このクラスで付き合っても来年の今日付き合っているとは限らない。というか、高校で恋愛する子なんて大体わかれていそう、というのが年齢イコール彼氏いない、恋したことない歴な私の偏見だ。
……その後、母の噂話コーナーはしばらく続き、私は顔を顰めて耐え続けた。速くこの慣れない空間から逃げ出そうと、私はカレーを腹にかき込み、慌ててリビングを離れたのだった。
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失礼します。
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露萩(プロフ) - みきさん» コメントありがとうございます😁💕 その様にご応援いただけて誠に光栄です🙌🏻😭 更新の励みになります💕 (4月29日 11時) (
レス) id: 59536f34c0 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 更新が待ち遠しい……文才も神ってますね!!夢主様の設定とか諸々好きです💞応援してます!! (4月29日 10時) (レス) id: aa3c92bdc8 (このIDを非表示/違反報告)
露萩(プロフ) - 時雨さん» コメントありがとうございます😁💕 そういう風に言っていただけて光栄です🙌🏻 更新の励みになります💪🏻 (4月7日 14時) (レス) id: b331db759b (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - とても面白かったです！いままで読んできた作品には無いようなキャラとの距離感でこの後の展開が気になって仕方ありません…！更新楽しみにしてます！！ (4月7日 13時) (レス) @page20 id: 301607acc2 (このIDを非表示/違反報告)
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