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その日、いつも通り部活に向かうと、黒尾先輩にやっほ、と声を掛けられる。
「やあやあ、随分と体育祭の練習で苦労してるようじゃねーか」
肩に手を載せられ、見上げると、ニヤニヤしている黒尾先輩があった。
私は怪訝な目で黒尾先輩を見上げる。
「なんか黒尾先輩って、徒競走で友達がコケるとそのあとさんざんネタにしてきそうですよね」
「Aちゃんの中での俺のイメージ相当終わってない？」
ごもっともなツッコミだ。でもそのあと小さく「まあそうなんだけどさ」と呟いたのを私は見逃していない。
黒尾先輩ははあー、と息を吐き、腕を頭の後ろで組んだ。
「にしても、研磨も成長したよなー。自分で人に話しかけにいけるようになったり、初対面の人に“別に”以外の返事をしたりと……」
黒尾先輩は研磨の母かなんかなのだろうか。二人の母が自分の周りにいるとか……それは一体幸か不幸か。私にとっては不幸一択だ。
「昔のあいつなら、速く終わらせようってことしか考えてなかったろうな」
研磨は超がつく面倒臭がりらしい。
確かにバレーやっているところから見て、たまにボールを深追いしなかったり、かなりサボっているところは見受けられる。いうなら無気力という言葉がよく当てはまると思う。
「で、話戻すけど。クラス対抗リレー、随分と気合い入ってるみたいじゃないデスカ」
クスっとからかうように笑い、黒尾先輩はマイクを突き出すジェスチャーをした。
「自信のほどは？」
「練習サボりたいです」
「返答になってない。でもまーそんなことだろうと思ったよ」
「ま、ガンバローよ。人生で一度だけの高校生活なんだからサ」
人生で一度だけ、か。
それなら、私は一体どれほどの「一度だけ」を浪費してきたのだろうか。途方もない数になりそうで、私は考えるのをやめた。
私はこれでいいのだ。これが、私の生き方なのだ。
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露萩(プロフ) - みきさん» コメントありがとうございます😁💕 その様にご応援いただけて誠に光栄です🙌🏻😭 更新の励みになります💕 (4月29日 11時) (
レス) id: 59536f34c0 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 更新が待ち遠しい……文才も神ってますね!!夢主様の設定とか諸々好きです💞応援してます!! (4月29日 10時) (レス) id: aa3c92bdc8 (このIDを非表示/違反報告)
露萩(プロフ) - 時雨さん» コメントありがとうございます😁💕 そういう風に言っていただけて光栄です🙌🏻 更新の励みになります💪🏻 (4月7日 14時) (レス) id: b331db759b (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - とても面白かったです！いままで読んできた作品には無いようなキャラとの距離感でこの後の展開が気になって仕方ありません…！更新楽しみにしてます！！ (4月7日 13時) (レス) @page20 id: 301607acc2 (このIDを非表示/違反報告)
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