２章 青春体育祭 ページ12
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五月。誰にも感じられる夏の気配が、あたたかな風によって運ばれてきた。新たな生命達が堂々と芽吹きだし、昆虫や動物も活動を始めた、そんな希望に満ちた五月。
今や学校生徒達の一番の関心事はなんといっても「体育祭」だろう。もうじき行われる体育祭。それは我々15から18の少年少女が、一生に一度の高校生生活での思い出のために戦う場。一生に一度の青い春を過ごせる、貴重な場。
そのために、私のクラスでは「クラス対抗リレーで一位を取ろう」とカースト最上位の人気者達が練習を計画したり、クラスの中心となって体育祭に臨んでいる。
それに私が巻き込まれるのも、当たり前のことで。
クラス対抗リレーとは、その名の通りクラス全員でリレーするというもの。一年生の中で最も人数が多い組に合わせ、40人がバトンを回す。一人トラック半周し、その速さを競うというものだ。一人の遅れは蓄積され、後の走者に響いてくる。一人一人がちゃんと走り、遅い人のために速く走ったり、自身の全力をだしたりせねばならない。また、上手くバトンを繋ぐことが大切になる、「クラス一丸」「協力」の言葉がよく似合う競技となっている。
教師達はそう思っているのだろうが、私にとってはそんなのどうでもいいことだった。
とりあえず走ればいいだけのものを、なぜこれほど努力しなければいけないのか。努力した暁に負けたら、悔しくはないのか。
不確定要素に精力をつぎ込むほど、私は優しくないし暇人でもない。
だから、練習には真面目に参加していなかった。
バトンさえ落とさなければ負けないのだから。勝ってもそんなにいいことないから。
それらを言い訳に、私はほどほどのパワーで走った。つまりサボったのだ。それでも遅いわけではないので、私に面と向かって文句を言う人はいなかった。
しかし、水を飲んで休憩を取っているとき、ふと聞こえたのだ。
「ねえ、鈴瀬さん、絶対真面目にやってないよね」
「ね。皆のがんばろって空気読めないんだ」
「だから一人でいるとか？」
……私って空気が読めないのだろうか。まさかそのせいで今までボッチ生活だったのだろうか。というかそうだとしても、気づくのが今更すぎる。
と、その時。ねえ、と声を掛けられた。
「お疲れ」
研磨だった。隣に腰かける。
もう日も暑い。少しでも運動したら汗をかいてしまうような日だ。研磨は額から流れた汗を拭いた。
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露萩(プロフ) - みきさん» コメントありがとうございます😁💕 その様にご応援いただけて誠に光栄です🙌🏻😭 更新の励みになります💕 (4月29日 11時) (
レス) id: 59536f34c0 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 更新が待ち遠しい……文才も神ってますね!!夢主様の設定とか諸々好きです💞応援してます!! (4月29日 10時) (レス) id: aa3c92bdc8 (このIDを非表示/違反報告)
露萩(プロフ) - 時雨さん» コメントありがとうございます😁💕 そういう風に言っていただけて光栄です🙌🏻 更新の励みになります💪🏻 (4月7日 14時) (レス) id: b331db759b (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - とても面白かったです！いままで読んできた作品には無いようなキャラとの距離感でこの後の展開が気になって仕方ありません…！更新楽しみにしてます！！ (4月7日 13時) (レス) @page20 id: 301607acc2 (このIDを非表示/違反報告)
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