大きな満月 ページ7
ワポルから先ほどスッた武器庫の鍵を見せながら、ドクトリーヌに交渉を持ちかけた。船員全員の治療費をタダにすることと、ナミの即日の退院許可を出すことが、鍵との交換条件であると。百戦錬磨のドクトリーヌも、小娘ナミには敵わなかった。
「いいだろう、治療代はいらないよ。ただし医者として退院許可は出せないね。いいかい小娘、あたしはこれから用があって部屋をあけるよ。奥の部屋にあたしのコートが入ってるタンスがあるし、見張りがついているわけでもない。それに背骨の若僧の治療は終わっているんだが。いいね、決して逃げ出すんじゃないよ!!」と言い残して、昇ってきた町民達を連れて出て行ってしまった。
ドクトリーヌの”いいつけ”通り、ナミはドクトリーヌのコートを着て、サンジを連れて城を出ると、城の外では彼女がトナカイを勧誘していた。
貴「おーいトナカーイ!一緒に海賊やろうーーっ!!」
という呼び声に、チョッパーは困っていた。(海賊をやりたくないわけじゃない、ただおれは行けないんだ。)
チョッパーは、彼女にはっきりと断った。
チ「だっておれはトナカイだ!!!角だってあるし、蹄だってあるし、青ッ鼻だし!!そりゃ海賊にはなりたいけどさ。おれは”人間”の仲間でもないんだぞ!!バケモノだし!!おれなんかお前らの仲間にはなれねェよ!!!だから礼を言いに来たんだ!!!誘ってくれて、ありがとう」
貴「やだ!!!いこう!!!」
その無茶苦茶な勧誘に、涙声で「お゛お゛!!!!」という返事が山々にこだました。
ゾ「やだって誘導のがあるかよ。」とつぶやいてナミとビビは微笑んだ。
大きな満月が、雪の大地を明るく照らしていた。
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作者名:愛雅 x他1人 | 作成日時:2022年6月1日 1時