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嬉しさと心苦しさ ページ24

×××

お千:今まで戦うことができたのは、彼らが本気ではなかったからです。
山南:本気になってもらおうじゃありませんか。
本物の鬼の力、見せていただきたいものですね。
千鶴:山南さん、それは・・・!

風間たちの力は今までだって、相当なものだった。
新選組を、幹部たちを軽くあしらわれることだって、あったのだから。

そんな相手と本気で戦うことになれば、
どちらかが倒れるまで、やらないといけない。

土方:言っておくが・・・ここは、壬生狼と言われた新選組だ。
鬼の一匹や二匹相手にしたって、びくともしねえんだよ。
沖田:そうですね。
こっちだって、泣く子も黙る”鬼副長”が率いてますからね。
土方:おまえは、一言二言多いんだよ。
かおり:それが、総司さんですからね。
お千:お気持ちはよくわかりますが・・・。
実際にはそう簡単でないことはわかっているのでしょう?

お千ちゃんは、土方さんとはじめ
その場にいた人を見回し言葉を続けた。

お千:ですから、私達に任せてください。
私達なら彼女たちを守れる可能性も高まります。

可能性の話なの?
そこは、確実に守りきれる。って言うところなのでは?

永倉:おいおい、決めつけんなよ。
俺たちが守れないっていうのか?
原田:あんたらの守れる可能性ってなんだ?
確実に守れる保障がないなら渡す必要ないだろう。
沖田:それよりも・・・部外者のあなたが僕たち新選組の内情に、口を出さないでくれるかな?

お千ちゃんの申し出を、みんな口々に拒んだ。
その言葉には、一様に怒気がはらんでいた。

特に、総司さんなんて隠していたはずの殺気が出てきた。

かおり:総司さん、顔が怖い。
沖田:怖いって酷い言いようだね。かおりくん。

でも、みんなの言葉に総司さんの行動に
うれしさと心苦しさとが入り混じる。

鬼の副長と局長の判断→←鬼の始祖と無力



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作者名:つやか | 作成日時:2022年5月6日 11時

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