悪夢の再来 ページ15
×××
あれからしばらくは、静かな日常を送っていたのに
あの騒動から1ヶ月経った時だった。
?:きゃああああっ!!
夜中に、急に千鶴の叫び声が聞こえてきた。
千鶴:た、助けて…誰か助けて
床に寝っ転がっていた身体を起こして廊下を走っていると
土方:千鶴、無事か!?
いつぞやのように、千鶴が羅刹隊士に絡まれている。
かおり:…くっ
あの時と違うのは、平助も斎藤も居ないくらいだ。
かおり:千鶴、怪我しているのか
千鶴の右腕は、血に滲んでいた。
隊士:ひひひひ…それだっ!おまえの血をもっと寄越せえ!!
千鶴に飛びかかろうとしているところを
隊士:ぎゃあああああッ!!
隊士の絶叫が部屋にこだました。
あの時と違うのは鬼副長ではなく僕が羅刹隊士と対峙して彼の腕を切り落としたくらいかな
あの時よりも冷静に対応できるくらいかな。
原田:今のうちだ。早くこっちへ来い!
土方:早く来い
かおり:やれやれ、相変わらず羅刹は血の匂いにやられがちなのかな…。
永倉:左之、雪野!!行くぞ
原田:遅れるなよ、かおり!!
羅刹隊士の心臓、頭、首を捕らえた刀先。
部屋に響き渡る断末魔
かおり:あの時の再来と言うのは本当に勘弁してもらえないかな。
このあと、死体の処理と部屋の片付け。
そして、千鶴はあの同様に土方さんの部屋で就寝したらしい。
かおり:羅刹隊の管理をもう少し厳重にすべきではないのかな?
原田:そうだな。こんなにすぐに羅刹隊士が逃げるとなると…
永倉:山南さんと一度、しっかり話をしていたほうがいんじゃないのか。近藤さん、土方さん。
近藤さんも土方さんも厳しい表情を浮かべながら腕を組んでいた。
近藤:そうだな、こうも立て続けに起きるとなると。
トシ、話し合いの場を設けよう。
近藤さんは、少し悲しそうな瞳を揺らしながら言った。
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作者名:つやか | 作成日時:2022年5月6日 11時