薄桜鬼貴方に出会うーpart8ー (ページ2)

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伊東さんと山南さんページ2

×××

山南さんは伊東さんにちらりと
目をやったが、答えない。
というより、答えられるはずもない。

羅刹という人間ではないものを、
密やかに作っていたなんて…。

素早く冷静さを取り戻した伊東さんは、
すっと瞳を細めて山南さんを睨みつける。

伊東：私は、山南さんは亡くなったと。聞かされておりましたのねぇ。
皆して、この伊東をたばかっていた、と？
この伊東は、仮にも新選組の参謀ですよ？その私に黙ってはかりごとを…。納得のいく説明をいしてもらえるんでしょうね！
土方：ああっ、いちいちうるせえんだよ、てめえは。ちっとは黙っていやがれ！
伊東：なっ！？なんて口の利き方を…。土方くん、あなたは…。
近藤：まあまあ、伊東さん。

と、土方さんと伊東さんの間に割って入ったのは近藤さんだった。

近藤：ドシも、悪気があるわけじゃないんだ。状況が状況だ、勘弁してもらえないかな。
伊東：あぁ、なんて野蛮な人たちっ。この伊東、こんな方々と一緒になんていられませんわ！
山南さん、あなたの口からちゃんと事情を説明してもらいますからねっ。
山南：…くっ
伊東：聞いているんですか、山南さん？

伊東さんが、山南さんに話しかけているときだ。
山南さんの様子が一変したのは。

かおり：さ、山南さん…。
山南：……うぐぅ、……っぐぁぁああ！！
千鶴：山南さん！？

山南さんの異変に気づいたときには、
苦痛に顔を歪め、呼びかけの言葉も耳に入っていない様子だった。

永倉：どうした、山南さん？
千鶴：山南さん、あの…

山南さんに近づこうとする千鶴に対して

土方：下がれ！千鶴！
千鶴：えっ！？
かおり：…っく

千鶴の腕を引き、自分が山南さんの前に立ってしまった時だ。