【ボールルームへようこそ】”すき”の一言で私達を惑わす彼女は小悪魔か何かだと思う。【花岡雫】【兵藤清春】

好き ページ2

Aside



ここは灼熱の地獄みたいで、息が上手く出来ない。



私が何をしたというのだ。誰か、この地獄から私を救って........



「だあああああ！！！数学とか死ね！こんなの将来使いますか？！ていうかこんなのテストに出る時点で？ハイ分かりません！！」

「ふふ、面白い事を言うのね」



お上品に笑うこの人、花岡雫は私の自慢の幼馴染の一人だ。



今、雫の家で勉強を教えてもらっている私は、開始10分で早くも詰んでいた。



「何この暗号。私インダス文字を読むほどの頭脳持っていないんだけど。人類はこんなものを読めるようになったのか。いやあ〜スゴイね、人類の進化とは恐ろしや恐ろしや」

「じゃあAも読めるように頑張ろう？ハイ、じゃあもう一回教えるね」



ここは....と一から教えてくれる雫は、本当に優しくて可愛い子だと思う。


髪を耳にかける仕草はとんでもなくエr...ん”ん”、色っぽいし、たまに見せる笑顔が滅茶苦茶可愛い。美人ってこういうことを言うんだよな、うん。



「....A、そんなにジロジロ見てどうしたの...？私の顔に何かついてる？」



思わずジーッと見てしまっていたみたいで、雫は少し照れた様子を見せる。

頰を少し赤らめる雫はなかなかにレアだ。こ、これは....家宝にしてもいいレベルの可愛い顔だ！

しっかりと目に焼きつけておかないと。



「ごめんごめん。雫ってすんごく美人だなあって思って、つい見惚れちゃった」

「かっ.....！？」



耳まで一気に赤くなる雫の顔を即座にスマホで撮る。やべえクソ可愛い。



「ちょっと！？撮らないで、その写真今すぐ消して！」

「えー、やだよ。こんなに可愛いのに.....あ、そういえば清春の風邪、もう大丈夫なのかな」



清春とは、私のもう一人の自慢の幼馴染だ。
清春は社交ダンスをやっていて、アマチュアの世界では圧倒的な実力と実績を持つ天才ダンサーだ。

あ、ちなみに雫も社交ダンスをやっている。
清春のパートナーだ。



私は二人のダンスを見るのがとても好きだ。



私も二人から教わったことがあるから、少しなら踊れるけど、二人のダンスはとても迫力があって、とにかく、とにかく.....スゴイ。うん。

.....語彙力なさすぎか、私。



「大丈夫よ。熱があっても踊るような人なんだから。ほら、早く勉強しましょ」

「アレ、さっきまでのお顔真っ赤な可愛い可愛い雫はどこに....？」

「A」

「ウィッス」

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