19話 忘れたい思い出 ページ27
「両親との写真、それしかない」
晴が喋り出し、私は晴の前に座ると
晴が私を包み込むように抱きしめた。
そう言った時、冷蔵庫に貼ってあった写真は晴じゃない
もう一人の男の子と晴の両親が写っていた写真だった。
それが10枚…20枚…溢れるほどに。
「俺はお前が羨ましかった。両親に囲まれたお前をみて
それに憎かったお前が」
そして晴はもう一度息を吸う
「もう…思い出も全部忘れたいのに…寂しいんだ
だからいつかお前も離れて行って忘れられるって」
だから…そう晴は言って私を突き放した。
その瞬間、あの匂いはもうかすかにしか残っていなかった。
「俺、お前が嫌いだ」
晴…お願い、泣かないで。
「だから俺を嫌いになってくれよ」
わかった、晴のお願いは何でも聞く。
「A、愛してる」
うん。私も。
「もう傷つきたくないんだ…」
私は泣かなかった。
晴の前で泣きたくない。
自分の幸せを恨む人がいた。
それは私の好きな人。
「晴…忘れたい思い出は中々消えてくれないし
忘れていい思い出はきっとないよ」
それが私が晴に最後にいった言葉。
そして晴の家を出る。すぐに電話がかかってきて
先生からだった。
「…はい…そうですか…はい…わかりました」
あの冷蔵庫の溢れるほどに貼ってあった写真は
やっぱり晴の両親と晴の弟だった。
正確にいえば、晴は母親が浮気相手との間にできた子らしい。
両親は弟を産んで晴を放っておいた。
両親が2人でしゃべってるのを偶然聞いてしまった晴。
「晴をどうして産んでしまったの?」
「親戚は皆預かってくれないしな…」
もともと、晴に関心がなかった父親は実の子が産まれ
晴はいらない対象にすっかりなってしまった。
そして、昨日、晴の両親が出て行ったらしい。
私はケータイを落としたことに気付かず晴の家の前で大声で泣いた。
「うわぁぁぁっ…は…る…ごめんね…」
ごめんね。
何も助けてあげられなくてごめん。
嫌いになってあげることぐらいしかできなくてごめんね。
それから少し、晴は学校をやめた
でもそれから晴がグレだしたときいた。
「A」
そうして私に何事もなかったように接してきた。
何でそんな簡単に笑えるの?あの時は何だったの?
あの時の涙は嘘だったの?
あの時の言葉、嘘だったの?
「お前、あんなことでまだ悩んでたのか?あっほらしいな」
その瞬間、
私は大声で泣いて気付けばもう晴はいなかった。
晴なんか、男なんか大っ嫌いだ。
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二葉和紀(プロフ) - わー!!面白かったです!もしよかったら続編書いてほしいです! (2014年2月17日 11時) (
レス) id: b8b70e0d3d (このIDを非表示/違反報告)
紅林(プロフ) - 面白いですwその後とか見たくなりますねw (2013年10月14日 2時) (レス) id: d9c0f2187b (このIDを非表示/違反報告)
なーちゃん☆(プロフ) - kaminaさん» ありがとうございます(^-^)/頑張ります!! (2013年7月15日 12時) (レス) id: 1df1de37d5 (このIDを非表示/違反報告)
なーちゃん☆(プロフ) - アリスにゃんさん» ごめんなさい(⌒-⌒; )今調べましたが違う作者様の作品です。なーちゃん♪様の作品ですよね?私はなーちゃん☆なので違うんですよね笑ごめんなさい( ´ ▽ ` ) (2013年7月10日 17時) (レス) id: 1df1de37d5 (このIDを非表示/違反報告)
なーちゃん☆(プロフ) - 灰音♪さん» ありがとうございます(^-^)/続きかきます!! (2013年7月4日 19時) (レス) id: 1df1de37d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なーちゃん☆ | 作成日時：2013年4月18日 16時
