はち ページ10
それは小さな女の子の声だった
振り返ると今にも泣きそうな顔で1人立っていた
「どうしたの？大丈夫？」
「あのね、ママが…どっか行っちゃったの…」
「ママが…お姉ちゃんと一緒に探そ！きっと見つかる！」
「…！うん！ありがとう！お姉ちゃん！」
「お名前分かる？」
「さき！かわいいでしょ〜！」
「グッ…」
5歳くらいのさきのかわいさに意識が飛びそうになったのは置いといて、一緒に母親を探すことにした
「さきちゃんのおかあさまー！いらっしゃいませんかー？」
「まま〜！！どこーー！！」
その頃轟はアイスを買い終わり戻ろうとしていた所、何かを探している様子の女の人を見つけた
「どうしたんですか？」
「私の娘が、何処かに行ってしまったんです…」
「…探しますよ」
「え…でも、」
「その方が早いと思うので」
轟は女性の娘を探そうと周りを探し歩いた
「……の…………ん！！！」
「…迷夢？」
聞き覚えの有る声が聞こえた方に行ってみると1人の少女と迷夢が一緒にいた
「大丈夫だよさきちゃん！絶対に見つかるからね！」
「…うん！」
安心させるように微笑む迷夢
轟は少し見とれていた
「あの…あの子ですか？」
「…！？さき！！」
「あ！ママ！！」
さきと呼ばれた女の子は女性のところまで走って来た
「轟！！お母さんといたんだね！よかった〜」
「ありがとうございますありがとうございます！お二人のおかげです！」
「お姉ちゃんお兄ちゃんありがと！」
「どういたしまして〜！またね！」
2人はお礼を言い去っていった
「ふぅ！私たち偉い！」
「そうだな ほらアイス」
迷夢は目をキラキラさせお礼を言った
「このアイスすんごく美味しい！轟が買ってきてくれたのもあって余計幸せ…」
顔が緩んでいる迷夢を見て思わず頬に手を伸ばす轟
迷夢が不思議そうに見ているとアイスが口元に付いていただけだと誤魔化した
「何やってんだ俺は…」
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作者名：チンパンジー | 作成日時：2022年12月6日 21時
