167.似合ってる ページ18
立向居side
立向居「あれ……池長さんはどこですか？」
木野「え？池長さんなら後ろに……あれ？」
音無「あ！もうAさん！そんなところにいないでこっちに来てくださいよ……！」
俺たちからは見えないが、どうやら近くにいるらしい。
A「い、嫌です！やっぱり恥ずかしいです……」
音無「今更何言ってるんですか！どうせ後で見られるんですし同じですよ！」
A「じゃあパーティー行きません！」
音無「だめです！」
A「嫌です！」
音無「だめです！」
A「嫌です！」
音無「だめです！」
池長さんと音無さんの言い合いが続く。
音無「池長さん！行かないと今後のご飯抜きですよ！」
A「え……
それはちょっと困ります……」
音無「じゃあ早く来てください」
A「……」
池長さんはゆっくりと姿を現した。
青をベースとした落ち着いたドレス。
肩はシフォンの生地で色はタイツとお揃いの黒めの青。
靴は黒のパンプスで耳にはイヤリング。
腰にある黄色いリボンがアクセントになっている。
髪型もいつもの低いツインテールとは違い、高めの１つのお団子にしていて明らかにいつもより大人っぽい。
この場の男全員が思った。
「「((想像以上に似合ってる！！))」」
A「もう軽く死ねます」
手で顔を隠しながらそう言う池長さん。
音無「そんなこと言わないでくださいよ」
A「『スカートを履いた姿なんか想像できない』って言われたら出てきたくなくなりますよ。ね？綱海さん」
手を顔から離し綱海さんを見る。
綱海「う……」ｷﾞｸｯ
A「それってつまり『女っぽくない。もはや男』ってことですか？」
綱海「いや、そういうわけじゃ……」
A「んじゃどーゆーことですか？」
綱海「そ、その……」
木野「まあまあ落ち着いて……」
A「はぁ……だから嫌だったんですよ……」
へなへなと池長さんはしゃがみこむ。
どうやら男っぽいのは自覚していたようで、勇気を出して着たようだ。
基山「大丈夫だよ」
そこでヒロトさんがしゃがみこんでいる池長さんに話しかける。
基山「池長さん。すごく似合ってるよ」
A「……お世辞をありがとうございます……」
そうは言いつつ池長さんの耳は真っ赤になっていた。
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作者名：アズサ | 作成日時：2016年1月2日 23時
