98.ストーキング ページ49
木暮side
立向居「後で怒られるよ……！」
木暮「大丈夫大丈夫！」
壁山は池長との話通り、栗松と立ち読みをしに行ったから立向居と俺のみで、あとをつけることにした。
池長は立向居の予想通り、商店街で食べ物を見つけて立ち止まっては歩き、立ち止まっては歩きを繰り返した。
食いてぇなら早く買えば良いのに。
あれから20分たった。
池長はずっとあの行動を繰り返していた。
そしてついに食べ物とは関係のない店に入った。
立向居「相変わらず不思議な人ですね……」
木暮「あいつがまともなのって試合中くらいじゃねーの？」
店の外で少し待っていると…
立向居「あ……」
立向居の携帯がなる。
電話の相手は、
立向居「非通知だ……誰だろう？」
立向居は電話に出る。
立向居「もしもし……」
俺も耳を近づけて聞く。
『あんたら何やってんの？』
立向居「えっ……！」
「『だから……』」
ﾊﾞｼｯ
何かが頭の上に乗っかる。
木暮「まさか……」
血の気が引くのがわかった。
恐る恐る振り替えると、
A「『何してるのかって聞いてんだよ』」
立向居「池長さん！」
やっぱりだ。
俺の上にのっているのは池長の手。
池長の顔は笑ってるが、目は笑ってない。
A「2人とも面貸せよ」
A「いやー、『さっきからよく2人を見るなー』とか思ったら、私と同じ道を通ってくるからビックリしたよー」
そう言って俺の頭をｸﾞﾘｸﾞﾘと触ってくる。
木暮「………」
声のトーンにビビっておとなしく鉄塔までついてきた俺らの沈黙を打ち破った言葉が、こんなに軽かったらどうしていいかわからない。
A「まさか2人にストーキングっていう趣味が……」
木暮「ねぇーよ！！」
A「冗談だって！」
ハッハッハッと女子とは思えない高らかな笑い声をあげる。
立向居「怒ってないんですか？」
A「元から怒ってないよー」
絶対うそだ……！
立向居「俺たち、池長さんの持ってるリュックが気になって、それで……」
A「あー、これは……」
「「これは……？」」
A「ついてきたら教えるよ」
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作者名：アズサ | 作成日時：2015年2月3日 17時
