62.チキン ページ13
次の日
A「…よし行ける」
何回同じことを言ったのだろうか。
覚悟は遠の昔にできているがあと一歩が踏み出せない
相変わらず私はチキンだ。
私が何をしているのかと言うと、豪炎寺さんの部屋をノックしようとしている。
なぜ部屋をノックしようとしているのかというと、『シュートを教えて下さい』と言いに来たのだ。
今日は試合の翌日ということもあって練習(別メニュー)がいつもより早く終わったので、時間を有効に活用しようと考えた。
あと、昨日の夜に大会の資料を見直したら選手の入れ替えができるって書いてあった。
つまり、弱かったらさよならバイバイ用済みということだ。
なんと恐ろしい…！
しかしチキンな私はいつまでもノックを出来ずもう10分も部屋の前に立っている。
断られたら嫌だなぁ…
でも自分から言ってきたし行けるかな…？
A「う〜ん…」
風丸「池長は何をしているんだ…？」ﾎﾞｿｯ
鬼道「さあな…」ﾎﾞｿｯ
怖いなぁ…
ｶﾞﾗｯ
A「うわぁ！！！」
豪炎寺「！？」
A「…豪炎寺さんですか。ビックリさせないでくださいよ」
つーか、豪炎寺さんの部屋から出てきたんだから豪炎寺さん以外ありえないよな。
豪炎寺「…ここで何してるんだ？」
A「え、あ、」
言え！言うんだチキンな私！
獲物は自分から来てくれたぞ！
A「えっと…」
豪炎寺「…？」
A「な、何でもないです」
豪炎寺「…そうか」
豪炎寺はそう言って去っていった。
A「……ﾊｧ…」
なんでこう私はチキンなんだろうか。
現実世界ではチキンでもタイミングよく会えれば話できたのに…
A「(しょうがねぇ…1人で練習するかなー…)」
私は河川敷で練習をすることにした。
グラウンドだとみんなに見られて恥ずかしいからだ。
いつも別メニューでちゃんとしたサッカーの練習ができない私にとって、とても貴重な時間である。
何練習しよう？
ドリブル…はいつも別メニューでもやってるし…
パス…は相手がいないとできないし…
シュート…はできるかもしれないけどすぐに本番で使えそうにないし…
てか、私のポジションどこなのよ。
A「う〜ん…」
「どうしたんだい池長さん？」
声がして振り返ると知っている顔。
A「うわぁ！！！き、基山さん？」
今日はよく驚く。
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作者名：アズサ | 作成日時：2015年2月3日 17時
