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初めての仕事(前編) ページ4

次の日から、私は早速仕事に取り組んだ。
ミステリー探偵事務所の仕事は、一般的な探偵事務所と違ってここに来る人達の悩みや相談をするカウンセラーなのだ。
探偵達はここに来る人達「依頼人」によってそれぞれ担当を決める。
といっても私は出番がほとんど無い。
なぜなら、依頼人は私ではなく静香の方に依頼することが多い。なので、私は静香が仕事を終わるのを別室で待っているか、仕事があったとしても依頼人に飲み物を渡すぐらいなものだった。
だから、私自身が依頼を頼まれることは無いと思っていたが・・・。
そんなある日、
『ちーちゃん!今日の依頼一緒に来てくれない?』
静香が私を呼んでいた。
私は
「分かった!すぐ行く。」
と返した後、仕事着のグレーのレディーススーツを着てすぐに静香のところに向かった。
静香は黒のレディーススーツを着て、私を待っていた。
私と静香はすぐに依頼人が待っている部屋に向かい、ドアを開けた。
「失礼します。」
と私は依頼人にお辞儀をした。
依頼人をとりあえず近くにあったパイプ椅子に腰掛けて、私たちも用意してあったパイプ椅子に座った。
『初めまして、あなたの担当をします所長の入江静香です。』
と静香が依頼人に自己紹介をした後、
「同じく、担当を務めます副所長の立花千代です。」
と私も自己紹介をした。
依頼人は男性だった。
眼鏡をして、髪は整えていた。
歳は30代ぐらいだった。
静香は、まず依頼人の名前を聞いた。
『まず、あなたのお名前は?』
「星野修です。」
と依頼人は答えた。
次に静香は職業を聞いた。
『では・・・、職業は?』
「会社員です。」
『では・・・、好きなものは?』
「えっ?」

私も
「えっ?」と思った。
さっきの二つは分かるけど、最後のは関係ないでしょ?
まぁ・・・、静香も考えがあってのことだから・・・。

「野菜炒めです。よく妻が作るので。」
『なるほど・・・。』
「質問はそれだけですか?」
『あっ、はい!ありがとうございます。』
と静香が質問をした後、いよいよ本題に入った。
「それでは、星野さん。本日はどういったお悩みで?」
と私が質問をした。
星野さんはしばらく無言だったが、答えてくれた。
「・・・妻です。私は最近、仕事で海外に行って妻とあまり会話してないんです。それでも妻は私のために毎日ご飯を作ってくれて、どんなときも私の傍にいてくれるんです。ところが、2日前に、突然姿を消して・・・。」
と彼は今にも泣きだしそうな顔で私達に話した。

初めての仕事(中編)→←登場人物設定



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作者名:弓原鈴 x他2人 | 作成日時:2017年3月5日 18時

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