人狼J -sss- (ページ4)

今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:6,734 hit

マイク愛せないから触れないでページ4

「あ、あぁ、あ………」

きみの細い首筋から、鮮明な赤が溢れる。
冷静さを取り戻した頭の隅で、"自分が殺した"という事実が鮮明になる。

「ちが、違うんだ、なあ、」

知っていたはずだった。
自分がどういうモノなのか。
関わった人をどうしてしまう存在なのか。

抱き起こした彼女の瞳は、もう光を宿してはいなくて。
だらりと落ちた腕の中から、ごとりと猟銃が顔を出した。

「……狩人……！！よりによってきみが……！」

昼間に彼女が言っていた言葉を思い出す。

『マイク、貴方が居れば安心ね』

そんな、冗談みたいな。
軽口を叩き合うようにして終わらせた会話に、後悔が降り積もる。

「ああ、ごめん……っ、ごめん……！！」

だから言ったんだ。
どうせ愛せないのだから、愛するのはやめておけと。

誰かが脳裏で呟く。
その言葉に、ギリ、と奥歯を噛み締めた。

それでもきみが、帰ってくることなんてない。

「……そっちで待っていてよ。きっと今日は、オレがそっちに逝くから」

そうしたら、きっと今度こそきみに触れられる。
なんだかやるせなくて、それでいて酷く穏やかな気分だった。

サイコマイク×狩人