【無気力脱力ひねくれ男子】アンニュイでいず。【オリジナル】

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「……ねぇ」

「……へい」


「……俺、確かコーンポタージュって言ったはずなんだけど。
“わかった”って返事も確かに聞こえたんだけど。
なんで おしるこ になってるの」

「申し訳ございません、 普通に間違えました。」

アッやめて、そのコイツ頭大丈夫かって目、心の柔いところに突き刺さる。


「……。
コーンポタージュとおしるこを間違えられる白戸はすごいと思うよ」

「いやあのね、うっかり！うっかり番号を押すのを間違えてしまってね！？」

「しっかりちゃっかり自分の分のミルクティは買えてるのに?
ま、いいや」


影山はおしるこをずずずと啜る。


「ま、まァ小豆とコーン、同じつぶつぶだし？
おしるこもコーンポタージュも案外変わらないって！」

なんて言ってみたら、

「コーンポタージュを舐めないでよ」

なんて睨まれた。


◇



昼休み。

割とシャレにならん遅刻間近な時間に起きて、いつも通り朝ご飯をモリモリ食べてくる暇もなかったこともあり

お昼を早々に食べ終えた私は、となりでメロンパンをほおばる影山をこっそりチラ見する。


「なに。まだ食べ足りないの？
俺のメロンパン狙わないでよ」

見てたの即効気づかれた。

「そんなに食い意地はってないですよ」

へえ？と影山は信じているのかいないのか、気のない返事をして制服のズボンにおちたパンのカスを手で軽く払う。

あーわかるー。メロンパンってカスがこぼれやすいんだよねどうしても。
私だったらきっともっと机の上にスカートの上にって大量のカスが散乱してすごいもの。


変なところに共感しながら、残り半分を切ったメロンパンをもう一度眺める。

……そして実は少し食べたいなとか思ってた。

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