龍が如く 夢、語る者

小説リクエスト。　≪詩音さん≫＊維新 ページ24

永倉様をお見送りし、自分の部屋に戻った後


ドオオオオン…

鶴楼の下階から地鳴りのような音がした

『なんだ…？』

すると、店の人が私を迎えに来た

「大丈夫でございますか！？」

『私は平気です』

店の人から詳細を聞いた。
どうやら調理場で出火し、どんどん鶴楼内に火が燃え移っているようだ

まだ火のない裏口から店の人と何人かで抜け出すことができた

「ああ、火がもうあんなところまで…」

鶴楼の周りの店の者や、住居者は次々に避難していった。
鶴楼はというと、さっきいた自分の部屋まで火は上りつめていた

皆は避難できただろうか

「あぁぁぁ、鶴楼はもうおしまいじゃ…」

店の人は隣であわあわしている。

何だこいつ。
他の遊女や店の人の心配はしないのかよ。

『私ちょっと見てきます』

「え、どこに――――――」

動きやすいように薄着になり、さっきの裏口から鶴楼内に入ることにした
幸い、裏口周辺にはまだ火が移っていない。

裏口に入ってすぐの階段に足をかけた瞬間、

「待て、遊女が自らを捨てに行くような真似をするんじゃねぇ」

『！』

男の人に話しかけられた

「俺が行こう」

手首をつかまれ、外に引きずり出されるとAは男の服装を見て
新選組だと分かった

さっき脱ぎ捨てた服の1つをAに着せ、男は鶴楼に入っていった

『…。』

突然の出来事に呆けていると、また店の人が寄ってきた

「Aさん！何をなさろうとし―――――――――」

『助けにだ。』

きつく、敬語を外してやると店の人は縮こまった
やっぱり、あの人についていったほうが良かったか。

『私はもう一度中に入る』

「！いやしかし…」

『商品が傷つくのを恐れているのだろう。』

「それは…」

『商品が火傷すれば店側からすれば一大事だろうな。だが人が死ぬ可能性があることに目を背け、
　店の心配だけをするなど…』

さらに縮こまり、その先を言うのをやめた。
もう一度行く決心をし、裏口に戻った。


中は熱い。さっきの男はどこへ行ったのか、大丈夫なのか。
それはそうと、助けを待ってる人がいるかもしれない。

「…ぇ…」

『！！』

女の声だ。やはり逃げきれてない人がいた！

ー・−・−
鶴子です
文字数の都合上切らせていただきます
これは超長編の予感！

ではでは。

小説リクエスト。　≪詩音さん≫＊維新　：斉藤夢→←小説リクエスト。　≪詩音さん≫＊維新　：永倉夢

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す