心癒される海の唄 (ページ16)

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15 グリム！！拾い食いやめて！ページ16

「…」

久しぶりに見る天井、今は実家に帰省中だ。あの巨大なリーチ兄弟も口煩いアズール支配人も今日はいない、だからゆっくり寝てもいいしスッピンで居ても何も言われない

「…最高かよ」

もう一度寝るため、クッションを抱き直し目を瞑る

「まだ寝てるみたいだな」

下では着々と準備を進めていた。昼間はきっと降りてこないだろうと思いどこに行くわけでもなく家で細やかに祝う事にした。

大好物のお寿司を出前で頼みちょっと高めのお酒も用意、プレゼントだって準備万端だ。なんせ独身男性三人(？)だ。経済力を甘く見てはいけない

「早く降りてこないかなぁ～…喜ぶ顔がめに浮かぶんだゾ！」

主役以上に楽しみにしているグリムを横目にエースは一冊のアルバムを愛おしそうに撫でた。

「監督生…ユウだって喜んでるよな」

「当たり前だろ、一人娘の２０歳の誕生日なんだからな」

そのアルバムにはウエディングドレス姿のユウの写真が何枚もスクラップされている、その横には伴侶の男も勿論写っている

「Aが13になった時…大体のアルバムは全部あいつが燃やしちまったからなぁ、これと、飾ってある写真以外もう残ってないんだよな」

7年前、ユウが姿を消した時大きなショックを受けたAは母親の姿を映した写真や物を全部処分しようとしたのだ。今残っているわずかなユウのモノは三人が止めに入り間一髪救ったもの達だ

「…あの子ももう大人だ。真実を全部話そう」

「そうだよな…もう子供じゃないんだもんな」

今まで話すタイミングはたくさんあった。だが本人が望まなかった。「親のことは気にしてないから」て言って、その言葉に救われていたのはAじゃなくて俺たちの方だったのかもしれない

今のAなら受け入れられる、受け入れてくれる…