【オリジナル】館に集う者達

避難誘導の終了、そして応戦 by哥欲祟 ページ34

疲れきった
能力を使うのは本当に疲れる

けれど私にはまだ役目が残ってるんだ


私はなんのためにここにいる？
皆を助けるためじゃん！！


まずは指示された通りに動こう


多分テラスには誰もいない



分かってる
あんなとこいたら、絶対狙われておしまいだ


｢…テラスから、飛び降りよう…｣



私の足は自然とテラスに向かっていた


なぜ能力を使わなかったか、なんて聞かなくてもわかるでしょ？

本当に疲れているからだよ




｢はあ…はあ…階段ってこんなに疲れるとこだった？｣


でもテラスについた

テラスには…うん、誰もいない



テラスから下を見ると、クリオさんが敵を足止めしていた


その向こう側には、こちらに向かってきている小さな影とツル…ツル！？

もしかして、雪菜…？


雪菜…戻ってきたってことは、討伐を終えたか…なにか発見したか…


私は後者に賭ける

これほどの化け物、自然に生まれたものだなんて考えたくもない


誰か、なにかが作り出したんだ
そう考えたい…




私は密かにそれを願いながら、テラスから飛び降りた


着地し、敵を真正面から助走をつけて倒していく

勿論体術で


尽きてしまいそうな体力を必死に保ち、クリオさんの元に向かう


このまま一人で戦わせるわけにはいかないもん


｢クリオさん！疲れたなら休んでいて！

私はまだ戦えるから…休憩して大丈夫だよ！？｣


そう呼びかけると、クリオさんはこちらにチラッと視線を移したあと、また敵に向かっていった



｢…あの大きい…火を放ってくるやつの相手…か

私には到底できないことだね…｣


クリオさんにその一体だけを任せ、私は他の雑魚を倒すことに集中する


私が倒れる前に、私が殺される前に、一体でも多くの化け物を殺さないと

役に…立たないといけないんだから！


雪菜の方を見ると、あともう少しでここに着くところまで来ていた


雪菜の用によって、私が倒せる数も限られてくる

その前に少しでも多く倒しておこう



私はひたすら倒し続け、どんどん湧いてくる敵達をなんとか館から遠ざけることは出来た


だけどこいつらは動くから…豹李がバリアを張っていても、倒していくうちに消耗されていく体力は今すぐには取り戻せない



｢…あーあ、私も今日は本気を出さなきゃ…なのかな…｣


今まで少しずつ消耗されていた体力を、大幅に削減することになるけど…


ここを守るためなら、それも痛くない！






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