剣~つるぎ~

参の肆 ページ12

有岡「美味めぇ‼︎」



大ちゃんはどんどん団子を食べていく



有岡「知念、早くしないと全部俺が食っちゃうよ？」



知念「それは駄目」



遠慮なしだな…



有岡「高木は甘味をあまり食べさせてくれないんだ。



だからこう言うときにたくさん食べる」



知念「…いいお父さんだね」



有岡「あぁ、それに俺の好きなものなんでも食べさせてくれるから大好き‼︎」



そうなのか…



有岡「知念はお父さんいないの？」



知念「僕は…生まれる前に死んじゃったから。



いるにはいるけど…会ったことないよ」



有岡「…そうなんだ」



大ちゃんが最後の団子に手を出したとき



「誰かー‼︎」



遠くから助けを呼ぶ声がした



僕は咄嗟に剣を構えて外に出る



辺りを見渡すと多くの人が逃げ戸惑っていた



知念「どうしたんですか⁉︎」



「異者が…異者が現れたんだ‼︎



おめぇも早く逃げろ‼︎」



異者⁉︎



逃げてきている方を見るとそっちから何やら影が見えてきた



…明らかに人間でない



額には角が生えており、手の爪は異様に長い



そして極め付けは…牙



知念「…鬼」



僕は剣を構える



知念「…剣義・枝垂桜(しだれざくら)」

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