【d!】私に逢いに来てください【短編集】 (ページ1)

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スパイス＿Gr＿鶴　※刑務所パロページ1

「ほら、囚人番号2番。早く起きろ」

『ﾁｯ...へいへい、起きればいいんでしょ。』

「そうだ。この部屋の新しい住人を紹介するぞ。」

『はぁ？誰だよ...。』

看守が連れてきたのは金髪で赤い目をした男。
ん、コイツの顔どっかで見たことあるな...。
まぁ思い出せないことを考えていても仕方が無いので、朝の朝礼の場所まで向かうことにした。

「こいつに施設案内をしてやれ。」

『あー...ま、よろしく。』

Gr「あぁ、よろしく頼む。」

看守がいなくなったのをいいことに、私はこの男に疑問を投げかけた。
いつもと髪型が違かったから分からなかったが...こいつは。

『まさか我々国の...。』

Gr「おっと、あまり大声でしゃべるな。詳しくはあとで話そう。」

そう言って朝礼のある広場まですたすたと歩いていった。
こいつ、まさか所内の地図を把握しているのか...？
その後牢屋で総統から詳しく話を聞くと、どうやら一度この国に捕まったが道中で別の囚人とすり替わってここに来たらしい。
髪型が前見た時より短く、珍しく両目が見えているのも他の囚人に化けてきたからか。
はぁ、今頃国は大騒ぎだろうな。まぁ焦っている上の顔を思い浮かべると笑えて来るな。

『それにしても、こんなところに居ていいのか？』

Gr「あぁ、うちには優秀な幹部がいるからな。すぐにでも俺の居場所を特定してくれるだろう。」

『ほー、良い幹部を持ったな。』

Gr「だが、それを待っているほど俺も暇ではない。」

『は？』

Gr「此処から脱獄する。」

ﾆﾔｯという効果音が付きそうなくらい口角を上げたこの男は、いきなり私の手を掴んで牢屋の机の上にある紙にさらさらと何かを書き始めた。

『...まさか、私にもやれと？』

Gr「あぁ、聞いたからには一緒にやって貰おう。」

流石一国の総統と言わんばかりにすらすらと計画を書いていく。
...面白そうだ。
私はこの男に負けないくらいに口角を釣り上げる。
このくそ程つまらない日々に、スパイスを加えるのも良いかもしれない。