・……13_Turu……・* ページ14
シャオロンさん以外にも様々な客を相手にしながら早2時間。
考えているのはあの言葉の真意だった。
この店の秘密はクスリだけではない、もっと他に何か問題があるはず。
根拠も確証もまだないけど、それだけはなんとなく分かった。
「Aさん。オーナーがお呼びです。」
『オーナーが？……ええ、分かりました。』
とうとうって感じね。
マリさんには関わらない方が良いって言われてるけど、これも任務だから仕方ないわね。
そんなことを考えながら、私は早足でオーナーの元に向かう。
そして重苦しい形をした扉の前に立ち、ｺﾝｺﾝと軽くノックをした。
「どうぞ。」
『Aです、失礼します。』
「ああ、Aさんか。」
そう言ってオーナーは私に手招きする。
招かれた机の上にはお洒落な模様のティーカップが二つ。
……最初から用意されている。
何か怪しい……。
「お疲れでしょう？……お茶、飲んで大丈夫ですよ。」
『……ええ、ありがとうございます。』
このお茶には恐らくクスリが入っている。
それは楽に察せたが、問題はその後なのだ。
普通に考えてこれは飲まない方が良い。しかし目の前に居るのはオーナー。
……ここで大人しく飲まずに怪しまれても困る。
仕方がない。そう思い、出された紅茶に口を付けた。
「どうですか？この紅茶はこの町では中々手に入らない貴重な物なんですよ。」
『……ええ、とても美味しいです。』
……何か妙な味がする。
不味いという訳ではない、むしろとても美味しいのだけれど。
これを全部飲んではいけない。
私の脳がそう言っていた。
それと同時にふわふわとした感覚が私を襲う。
「この短期間でこの売り上げだ。体調とかは悪くなっていないかい？」
そんな私を見たオーナーはいきなりそんな話を振ってくる。
恐らくこれは……出来るだけ沢山紅茶を飲ませるための口実だろう。
私は適当に話を返しながらここからどうやって抜け出すかを考える。
すると、黒服に指名が入ったとの報告があった。
……これは抜け出すチャンスだ。
オーナーには適当に理由を言い、私は指名してくれた人の所へ早足で向かった。
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鶴(プロフ) - ReiHetaさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けるととても嬉しいです！更新頑張りますね！ (2020年10月4日 10時) (
レス) id: c881247ce8 (このIDを非表示/違反報告)
ReiHeta(プロフ) - 初めまして。この作品好きです。頑張ってください^^* (2020年10月4日 6時) (レス) id: 923b872494 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶴 シアン | 作成日時：2020年9月18日 18時
