託された御守り ページ10
結弦side
ハビは持ち去られる直前、「君なら皆を救える、後は任せた！！」とだけ言い残していった。絶対に助けるから待っててくれ！
結弦「とにかく向かわなくちゃ！」
ブレードの母「すみません、旅のお方……もしや奪われた顔を取り返しに行かれるのですか？」
結弦「はい」
ブレードの母「申し訳ございませんが、私の息子も助けて下さいませんか………？私にはどうすることも出来ないのです」
結弦「もちろん、顔を奪われた人全員を助けにいきますから」
ブレードの母「そうなのですね………。役に立つかは分かりませんが、これをお持ちになって？」
そういって、少年のお母さんは首から下げていた金色の紋章が刻まれた青く煌めくペンダントを俺に手渡した。
ブレードの母「これは、先祖代々伝わる家宝の御守り。“救いの井戸の雫”と言われております」
結弦「“救いの井戸の雫“…もしや、救いの泉と関係が？」
ブレードの母「あの泉をご存じなのですね。私の先祖は大昔、プルシェンコ様からあの場所にあった井戸の中からこの宝石を託されたと聞いています。きっと確かなご加護がありますよ」
結弦「そうなのですね、でもそんな大事な物を僕に……」
ブレードの母「貴方は救いの水に選ばれていますでしょう？それを首に掛けて手の甲を見て下さい」
結弦「え………？」
言われたとおりにペンダントを付けて泉に浸した手を見ると、ペンダントと同じ金色の紋章が刻印されていた。
ブレードの母「その御守りは今、貴方が持ってこそ意味を成すでしょう」
結弦「ありがとうございます」
きっと大丈夫、良い暗示だと信じて俺は大魔王が飛んでいった方へと向かっていった。
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一方、その頃。
「想定より早く事態が悪くなってしまったが、やむを得ん。ぎりぎり滑り込めた様だ。2人共、急いでくれ……！」
？1&？2「はい！」
「本当は覚醒が間に合えば良かったのだが……私が奴を抑えることは出来なかったのだ。まだ新芽の彼をこんな危険な事に巻き込ませてしまった、許してくだされ……」
？1「そんな、滅相もない！」
？2「寧ろ光栄なことですとも………」
「貴女にも辛い思いをさせることになった………本当にすまない………氷の巫女よ」
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作者名：鰤しゃぶ | 作成日時：2019年4月1日 0時
