サイショーの街 ※結弦side ページ5
結弦side
？？「ねぇ、大丈夫？お医者さん呼んでこようか……？」
そう呼び掛けられてハッとして顔を上げた
目の前には、きっと呼び掛けた主である男とさっきまで遠目に見えていたであろう街の景色があった。
どうやら色んな事が起こりすぎて、街に着いていたことすら気付いてなかったらしい……
？？「顔色悪いなぁ……一人で立てそう？」
心配そうに顔を覗き込む彼に大丈夫と言って立ち上がる。街には何も起きていないようだ。
？？「君震えてるけど、熱はないみたいだね。もしかして何かあったの？」
結弦「ねぇ！落ち着いて聞いて欲しい！！」
？？「ええ！？う、ん、な、何……？」
冷静さが欠けていた俺は、初対面の相手にいきなり肩をつかんで凄い剣幕で事の顛末を一気に話してしまった。
突然そんなことされた男は当然ポカーンとしていたが、次第にウンウンと頷いて話を整理しだした、そして
？？「っぷ、ふはははは！
まさか、この平和な世界であり得ない！笑 きっと夢でもみてたんだよ！笑」
と、思いっきり爆笑されてしまった………
まぁ、当然っちゃ当然なんだけどさ汗
結弦「本当なんだよ！絶対このままじゃ大変なことになる！汗」
？？「大丈夫だよー、そんなに心配なら君のご両親になんとかして貰いなよ！妖怪や悪霊なんてあの二人ならお茶の子さいさいでしょー！」
なんて全力の笑顔でそう言われてしまった。
うちの親の腕を信頼してくれるのは嬉しいんだけどさ…………
？？「そんな顔しないのー！あ、僕はハビエル！ハビって呼んでね！」
結弦「う、うん、宜しくハビ………」
ハビエル「もー、笑って！暗い顔してちゃ良いことも悪くなっちゃうよ！ねぇみどりさん？」
みどり「んー？どうかしたのハビ？」
ハビは近くにあった屋台のおばちゃんに全然元気ないだの笑わないだの話始めた。ハビの話を聞いたおばちゃんは俺の方を向いて真剣な顔をした。
みどり「だめだよ、そんな顔しちゃ！
笑顔は幸せをもたらすんだよ！ほーら笑って！ワーッハッハ！」
おばちゃんのワーッハッハは、太陽のようなエネルギーが放たれていて思わず笑ってしまった。
みどり「笑った笑った！そうでなくっちゃ！」
おばちゃんのお陰か、さっきまで逆立ったままだった全身の毛が、いつの間にか元に戻っていた。ありがとう、元気なおばちゃん。
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作者名：鰤しゃぶ | 作成日時：2019年4月1日 0時
