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「どちら様ですか？」
「えっジーマー？Aちゃん、俺のこと知らない？テレビとか見てないの？」
「いや、そんなん見てる暇あったらゲームするかアニメ見てるし。普段ニュースしか見ないし。あ、名前聞いたらわかるかも！」
「あさぎりゲンって言うんだけど」
「……は！友達がなんか言ってたかもしれない。なんか、あさぎりゲンになら騙されても良いとか何とか画像見ながらキャーキャーやってた」
「その程度の認知なのね」
見れば見るほど何でこんなのに騙されても良いのか分かんないけど何か格好いいんかな？よくわからん。
「なんか、ごめんなさい」
「いやいや、別に俺も困らせたかった訳じゃないし！全然ダイジョーブ！」
逆に私がこの人困らせたみたいにはなっているのだが。それでもなお千空さんは私たちに構う気は無いみたいだ。
「わー！どうしよ金狼、千空たちがオオカミに襲われてる！！」
今日何度目かの騒ぎ声の方を見ると慌てた様子の金髪の男の子と冷静そうな茶髪の男の子。人が増えすぎて疲れてきたのか何だかんだで狼は森へ走っていった。たぶんまた呼べば来てくれる。……てか、遠いからぼやっとしか見えないんだけどあのシルエット。あれがあればな……。
「はっ！そこの人！」
「！？」
「それってメガネですか！？」
「あ、ああ」
やったー！ここにはメガネ作れる人がいる！つまりその人は私にとって神という訳だ。この数ヵ月……もしかしたら1ヶ月程かもしれんけどメガネが無いことが唯一不便すぎた。
「いーなー、メガネ。こんな状況でメガネと巡り会えるとか自分の運すげー神がかってる！」
「じゃあ、メガネ欲しかったらさ。Aちゃんの素性とか諸々吐いてもらえる？誰に復活させてもらったのかも含めて全部」
いきなり悪い顔になったあさぎりゲン。この人たち何かと戦ってるのかな？それも獣とかじゃなくて人間と。じゃないと普通、素性とか聞かないよね？
「ってか、人為的に石化から復活させること出来るの？」
「ククッ……これでスデに確定だろ」
「いやでも一応ね、もしかしたら演技かもしれないし！司ちゃんと接触してないとも言い切れないでしょ」
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作者名：宇治銀時 | 作成日時：2024年1月6日 23時
