「さにわ」って…何？(笑顔【2】【刀剣乱舞】 (ページ20)

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No.59 ページ20

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1週間なんて、意外と長く感じて、短いような時間だった。

全員刀だったり、付喪神なのに戦に出たり、畑仕事をしたり。

いきなり見知らぬ所へ行って、戸惑いながらも、何の大事も無く、無事に済ませた事に胸を撫で下ろす。

でも、流石、さくねぇと9年間も過ごしていた事だけあって、とても懐かしく感じた。

それよりも、唯一の家族の姉が、帰れる場所が他にもあった事が何よりも嬉しかった。

「1人にさせたくない」なんて、まず他人に言うより自分を心配したらどうなんだ、とずっと思っていたのを覚えている。

でも、それが一番姉らしい考えだと、呆れながらも、何故か誇りに思っていた。

『今の職を取るか、審神者を取るか』、とても答えにくい質問であった。

勿論、施設が、萪菜さんが居てくれて今の俺が居るし、あいつらと居て、悪い気はしなかった。

でも、答えはもう、

「…山姥切に会った時から、審神者を取るって思ってたのかもなー……」

俺の小さな呟きに、山姥切は「そうなのか？」と答えた。

「まぁ、さくねぇが居なかったらお前らにも会えてなかったし、あの施設を知ることも出来なかった…って事だわな」

山姥切「…人生って、楽なようで、複雑なものなんだな」

「…何も行動に移せない刀のままの写しより、人の身を得て自分で考えて行動出来る方が、面白くて不思議だろう？」

山姥切「…確かにな」

俺がそう言うと、山姥切は俺に抱きついてくると、胸板に顔を埋めてしまったので、表情は読み取れない。

山姥切「人の身というものは、

こうやって抱き締めて、『嬉しい』や『幸せ』という感情も知れるんだろう？」

そう言って、山姥切が顔を上げ、意地悪そうに笑うその顔は

あの時、3年前に最後に見た、

『…今まで、1人にさせてごめんね。

ずっと傍を離れないって言ったのに、それすらも守れないお姉ちゃんだったね。

でも、これからは1人じゃないよ』

『…？どういう事だよ？』

『Aには今後、きっと支えてくれる人が必ず現れる。

だから、今を、

私の分まで、あの子達と

生きて』

貴女の顔に、そっくりでした。

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