「さにわ」って…何？(笑顔 【刀剣乱舞】

No.25 ~山姥切国広side~ ページ28

『せえーかーいっ!!!!!!よく分かったね』

『…一瞬鶴丸と揃いかと思った』

『だよね。岩ちゃんにも言われた。『鶴丸と揃いか!!!刀剣との絆とはまさにこの事!!!!!!!』ってガッハッハって豪快に笑われたよ…まんばとお揃いなのに〜』

『…』

『…だからね、『俺なんかでいいのか』とか『本当に俺を頼っているのか』とかそういう事は考えちゃ駄目だよ』

『…』

『…清光のマニキュアを落とす雑巾を取りに行ったとき、たまたま通りかかったから、ちょっとだけ手入れ部屋を覗こうとしてたんだ。けど話中だったからやめたんだけど』




…何故だ




何で俺は、黙りこんでしまうんだ。




『…三日月に言われてたの、少し聞いたよ。…確かに、少ししんどいとは思ったよ？けど、せっかくこんのすけや皆揃ってたんだし、それに…』







と、主は桜に顔をあげた。









『…皆と一緒にご飯食べたり遊んだり出来るのは、これが、最後だと思ったから』







俺はその言葉にはっとする。






真っ白だった脳内が、黒色に塗り替えられていく。








『…やだ…最後なんか…考えたくない……主の口から……言ってほしくない』


『…』





主は、ただ静かに俺を寄せた。






『自分も言いたくなかった』…とでも言いたいように、俺を寄せた。







主の、俺を抱いている手が、震えている。









『…明日、朝はやくから自分の育った所に帰ろうと思うんだ』

『…主が…育った……』

『そう。…ずっと独りにさせてる家族がいるの』

『…ならっ…俺は主にっ……』

『…まんばは、この本丸に残っといて』

『なんでっ…』

『私が居なくなった本丸で、一番頼りになるのはまんばだけなんだよ』

『…でも俺は主に……』









俺が続きを言おうとすると、主は俺と目線を合わせるように、俺の顔をあげる。









『…最後の我が儘、きいてくれるかな』








と、主は俺の肩に顔を埋め、





『ごめんね』と、ただただ繰り返し、




静かに泣き出した。









違う









主を泣かせたくて、こんな事を言ってる訳じゃない









いつ倒れても可笑しくない主の傍で支えてやりたい








それだけなのに









なんで、俺は、









主の最後の頼みも聞けない俺は、こんなにも情けないだろう。

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