「さにわ」って…何？(笑顔 【刀剣乱舞】

No.22 ~山姥切国広side~ ページ25

『は…？』

『あぁ、それは薄々と俺も大包平も気づいていた。短刀と遊び終わった後、自分の部屋で休んでただろう？あの時の汗は人間ではありえない程の尋常さだったな』



三日月の言葉に、鶯丸が返事する。








な…んで…








『そっ…それを知っていたのなら…何故主に…』


『俺達は主の全てを其方に託していた』









いつもの美しい声が、少し低い。

微笑んでいるが、目は笑っていない。







『近侍の其方なら大丈夫だろう。この本丸の全員が其方を信じていた。主が一番信用している其方から声をかけたら少しは休んでいたのかもしれない。なのに其方は何故言わなかった、と俺達に問うか？』


『そ…れは…っ……』









…言葉が出ない。







『ならば俺が逆に君に問おう』




そう言った方を見ると、机に腰掛けていた鶴丸が前に出て、俺と向かい合わせになるように立った。








『君は…









何故気づけずに、短刀とじゃれ合っている主をただ見守る事しか出来なかったんだ？』






ﾀﾞﾝｯ





そう鶴丸が言うと、襖がｽﾊﾟﾝと開いて、五虎退が涙目で虎を抱えて、息を切らしながら立っていた。





『ﾋｯｸ…皆さ…大…変…ｯｸ…な…です…ﾋｯｸ…』


『どうした、ゆっくり話せ』





三日月が五虎退にゆっくりした口調で問う。

一方鶴丸は、五虎退の背中を擦りながら、息を整わせようとしている。





『ﾋｯｸ…あっ…主さまが…っ…ｯｸ…』

『…っ!!!』







気がつくと俺の体は主の部屋へと必死に走っていた。






″どうか無事で"




なんて言葉は、主の苦しさに気づいてあげられなかった俺には図々しいだけかもしれない。








けど…









「主…っ…!!!」








主の部屋へと着いた俺は、襖を勢いよく開けた。

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