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燭台切光忠 ページ8

ノルマというのはあくまで最低限ということである。そう職場で言われてきた私は提示されたノルマ以上の仕事をこなす為に奔走している毎日だった。
朝は4時から起きて、編成と攻略地域を選び、今後の予定は現状の把握をする。8時から刀剣達に任務に向かってもらうのでそれまでに馬や刀装のコンディションの確認を行う。任務に行ってる間も今まで情報を整理して、まとめていく。20時頃から今日の反省と敵の情報を整理していく。そして12時に眠る。
このサイクルは職場にいた頃よりマシになった方である。徹夜の数なんて数え切れないほどであったが、眠れているのだから。

「主」

その声に返事を返せば、襖が静かに開く。人物の確認だけすると目線を資料に落とす。

「ご飯はどうするんだい?」
「今日も大丈夫です。明日は食べます」
「もう3日も食べてないよ?」
「大丈夫です。お腹も空いてないので」

そう、とだけいうと部屋から出ていく背中を見送る。いつも台所にたっている彼はご飯の前に私に食べるかどうかの確認をする。私は決していい人では無いので人間というものに対して知識が少ない彼らを騙すようにご飯や睡眠について伝えている。
でもそれでは行けないことを知っているので、刀剣の皆には規則正しい生活をしてもらっている。布団に入ると不安になるのだ。今日の失敗、明日の失敗。
ミスをすれば何を言われるか分からない、彼らに失望されるのが怖い。
厳格な審神者であることを最初から印象づけてしまえばそれを崩すのが怖くなる。
戦績をあげれば上げるほど、それ以下になってしまった時の政府からの評価が怖くなる。
もしかしてまだ出来ることがあるかもしれないと布団の中で思考を巡らしてはそわそわする。それでも体は正直なので眠りにつく。結局4時には目が覚めてしまうのだが。

「主、はいるよ」

時計をみれば20時になるところだった。定期報告かな、と顔をあげればお盆をもった燭台切光忠がいた。

「これ、初めて作ったから食べてもらいたくて」

あとこれは今日の定期報告書だよ、といわれ近くに置かれたお盆をみる。

「今日はご飯いらないって……」
「ご飯が余ってしまってね、卵がゆというのを作ってみたんだ。適温にしたからすぐ食べれるよ」

蓋を開けた瞬間ふわりと出汁の香りがする。美味しそうなそれは私の気分を悪くする。胃の中がもやもやしてくる。それと同時にふわりと意識が遠のく感覚と同時に意識がプツリと切れた。

燭台切光忠→←乱藤四郎



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めろん(プロフ) - 美紅さん» ごめんなさい!コメントの通知が来てなかったのか今見ました!い、1年前……!なんとお詫びしていいか!!遅くなりもう見てらっしゃるか分かりませんが、書きたいと思います!! (9月23日 1時) (レス) id: fa5094f527 (このIDを非表示/違反報告)
美紅(プロフ) - 不幸な審神者は一人で行ってしまい刀剣男士が心配するので雨が降り始めた話 (2022年3月31日 20時) (レス) id: 6d09a11cef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めろん | 作成日時:2021年11月9日 11時

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